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2022.04.27

この土地で生きていくという決意と、この土地に生かされているという実感と

北海道の少し長い冬も終わり、木々の芽吹きや小鳥のさえずりもにわかに賑やかさを増しつつある今日このごろです。

4月に入って正式に農家として認定され、ようやく農地取得の手続きができるようになりました。

8年ほど耕作放棄され、薮となった土地を妻の実家から借りて開墾作業を始めたのが2年前。研修の合間を縫いつつ、太いもので直径20cmほどに大きくなったアカシアやヤナギなどの木をチェンソーで伐り、畑に残った切り株や根を鍬と斧で掘り返し、ようやく以前の畑の姿を思わせるようになってきました。

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(開墾前の農場の様子)

トラクターやバックホーなどの重機を使わない開墾作業は、自分の肉体の小ささと、若木とはいえ成長した木の逞しさ、何度でも甦る植物の生命力をありありと身体感覚として感じられる経験でした。

取っても取っても生えてくる草に文句を言う前に、諦めずにまた生えてきてくれるからこそ、自分も今こうして緑豊かな土地に生きていられるのだと、露わになった柔らかな土を手に取り思いました。雑草よ、生えてきてくれてありがとう。また帰ってこいよ。

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(開墾後、古代小麦を手蒔きした畑)

地域の人々に助けられ、大地からは恵みをいただく。
自分の短い生涯を、それらに感謝しながらひたむきに生きる。

自然界の森羅万象に祈りを捧げることで暮らしを紡いできた先人たちの思いが、ほんの少しだけわかるような気がします。すると、遠い縄文の祖先やアメリカの先住民達がごく近しい親戚のように身近に感じられるようになりました。

「この土地の自然と繋がりを持つこと。そうすることで、移ろい続ける時代にあっても、自然界の微妙なゆらぎの中で、生き物としての人間の立ち位置や役割を見失わずにいられるはずだよ」と、彼らが語りかけてくれているような気がしました。


農と蔵たなどぅい
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玉城聡将

玉城聡将(たまきあきまさ)
農と蔵 たなどぅい
北海道 長沼町

1992年愛知県生まれ。和の料理人を経て、義父が営農する北海道へ居を移す。2022年4月、「農と蔵 たなどぅい」を開業。夏は野菜を育て、冬は蔵人として醤油を仕込む。土壌や微生物、小動物相を豊かにすることで、植物が持つ本来の生命力を発揮できる手助けをし、「種取り」をすることで栽培種の多様性保全も視野に入れる。「常に自然を師匠として学び、授かったものは与えるためにある」という信念の下、「土地に仕える者」として仕事に取り組む。

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