2017.10.04
鴨を捕まえろ
まだまだ日差しが強く暑い日が続いていますが、風はすっかり秋の冷たい風になりました。
あちこちの田んぼで稲刈りが盛んに行われています。
9月7日
稲の穂も重そうに垂れてきました。私のいる筑豊、飯塚地域は天候もよく、程よく雨も降ったので今年はどこも豊作だという声を聞きます。
9月18日
前日の台風では、お米が倒伏することもなく、野菜もほぼ被害無くほっとしました。
そして、しばらく秋冬野菜の準備に掛かりきりになっていたので、久々にじっくり田んぼを観察していると…案の定、合鴨たちがお米をむしゃむしゃ…。
米ぬかがメインのエサよりも出来たて(?)の新米の方が美味しいですよね。5羽しかいないので、1反弱(約1,000㎡)のお米を全部食べられることはないですが、稲刈りの邪魔にもなるので、合鴨の撤退作業をします!
(稲穂を食べてしまっている合鴨)
9月19日 小屋作り。
今年お米を植えた場所の、隣の田んぼに小屋を作ります(小屋よりも囲いみたいなものですが)。 合鴨の捕まえやすい方法を考えると、今いる田んぼの隅に囲いを作って、そこに追いこむのが一番楽なのですが、稲を刈るコンバインを入れる関係でどうしてもその囲いが邪魔になるので、捕まえて移動させる事にしました。ちなみに去年は囲いを作ってそこに追いこみました。
竹で杭を打ち込み、獣害用フェンスで横をぐるっと囲います。合鴨は成鳥になると飛ぶので、上は網で蓋をします。手間がかかるので屋根は付けません。合鴨がいなくなったらすぐに解体できるようにしています。
去年はネコやイタチに合鴨がかなり襲われてしまったので、今回は電気柵に加えて、畦波シートにアルミテーブをはり、そこにも電気を流す事で下からの侵入を完全に防げるようにしました!(これは研修先の古野さんにアドバイスをもらいました)。
これで、ネコもイタチもヘビも!シャットアウト出来るはずです。
(完成した合鴨用の小屋。オレンジ色の電気柵と、下の部分が獣害対策で設置した畦波シートにアルミテープを貼ったもの。)
9月20日 合鴨の捕獲
広い田んぼにいる合鴨を捕まえるのは、とても大変です。罠を仕掛けるという手もありますが、5羽なので自力で捕まえます。
合鴨を捕まえるにはある程度の鍛錬が必要です。ぬかるんだ田んぼを素早く歩く力、合鴨の性質を理解しパニックを起こさないように誘導する知恵、一匹も逃がさないという執念と集中力…。なんだか格好良く書きましたが、実際慣れていないと逃げられて終わりです。古野農場で何十匹と合鴨を追いかけ鍛えさせてもらったので、少ない数なら一人でも捕まえられるようになりました(実際は2人以上で行うのが望ましいです)。
(捕獲!合鴨の正しい持ち方は、羽根と羽根の付け根をしっかり持つこと。これで逃げられません。)
9月末にはいよいよ稲刈りです。籾がつながっている茎も黄金色に変われば収穫適期です。
新米が楽しみでなりません。
八兒美恵子(やちごみえこ)
福岡県 飯塚市
1989年 福岡県生まれ。大学で環境生態学や土壌学を研究した経験と、食べることが好きなこともあり、食に関わる仕事の中でも、食の最前線で人の命を支える農業に魅力を感じ、農家になることを決意。2016年4月より新規就農。合鴨農法による米つくりと野菜の栽培の両立を掲げている。目指す農家像は、里山の整備や鶏小屋作り、パンを焼く石窯作りなどなど、暮らしにまつわる100通りの仕事が出来る人という意味での百姓。
