2017.05.31
お米作りの準備
こんにちは。
いよいよお米の季節がやってきました!
野菜の忙しさに追われつつ、お米の準備を進めています。
私が今年挑戦するのは、「乾田直播き(かんでんじかまき)」というお米作りの方法です。
普通は、稲の苗を仕立てて水田(水を入れた田んぼ)に田植えするのですが、「乾田直播き」は、野菜の種を蒔くのと同じ要領で、乾いた田んぼに種籾を蒔きます。他にも水田に種籾を蒔く「水田直播き」などのやり方があります.
今年直播きを行おうと思ったのは、田植え機を持っていないので、田植えの手間をどうにかしたかったからです。(昨年の田植えの様子はブログでも紹介しているので、ご覧下さい。
「乾田直播き」だと苗作りも省略でき、機械が無くても一人でも作業を行う事ができます。
今月はそのやり方のための準備をしていました。
4月25日 トラクターで田んぼを鋤く
田植えをする前に、トラクターで田んぼを鋤いておきます。
私が横着者なので、培土板を使った後にトラクターのロータリー板を外したまま鋤いてしまい、田んぼがでこぼこになっています。種籾を蒔く前にもう一度きれいに鋤く予定です。
5月3日 田んぼの畦際に溝を掘る
田んぼの際はコンクリート畦があるので、トラクターで鋤こうにもぶつかってしまい
難しいものです。なので、トラクターで耕耘の出来ない畦際に草が生えるのを防ぐために、
畦際は全て人力で掘り上げます。鍬やスコップを使って畦際に生えている草を取り除くの
ですが、田んぼの際や隅はトラクターで鋤く時に土が寄ってしまう場所でもあり、
どうしても高低差が出来るので、それを解消する作業も合わせて行います。
特に「乾田直播き」は「代掻き」を行わないので、事前に田んぼの高低差を解消しておかなければなりません。
5月6日 籾の塩水選(えんすいせん)を行う
お米の塩水選を行いました。
これは、塩水で種籾の選別を行うもので、特に苗を仕立てる農家は皆さん行っています。
病気をもっている疑いのある軽い籾を捨てて、中身(胚乳)のしっかり詰まった重い籾だけを
米作りに使用します。卵がバケツに浮かんでいるのは、塩水の比重を測るためです。
比重計があれば一番分かりやすいのですが、生の卵を浮かべて頭が出るくらいだと比重が
1.13くらいと言われています。もう少し厳しく種籾を選別する方は1.16など
比重を重くして行うそうです。
5月6日〜18日 籾の風乾
塩水に漬けたままだと、発芽障害が出てしまうので、塩水選を行った後は、
しっかりと水で洗い、田んぼに蒔くタイミングになるまで風乾させておきます。
5月18日〜 籾を浸水させる(浸種)
今年挑戦する品種、「元気つくし」の水田での栽培は、苗作りは5月末、
田植えは6月中旬から下旬にかけてです。
私もこのスケジュールに合わせて直播き出来るように、籾の発芽を揃えさせます。
乾かしておいた種籾をバケツに入れて浸水させ、芽が出揃えば発芽処理が完了します。
田植えをする場合は、この発芽が揃った種籾で苗作りを行いますが、
私はこの種籾をそのまま田んぼに蒔くことになります。
次回のコラムではいよいよ、乾田に種籾を直播きする様子とその後をお伝え出来ると思います。
苗作りと田植えという作業が省略される分、新たな問題も出てくる…のか?!
おたのしみに!
八兒美恵子(やちごみえこ)
福岡県 飯塚市
1989年 福岡県生まれ。大学で環境生態学や土壌学を研究した経験と、食べることが好きなこともあり、食に関わる仕事の中でも、食の最前線で人の命を支える農業に魅力を感じ、農家になることを決意。2016年4月より新規就農。合鴨農法による米つくりと野菜の栽培の両立を掲げている。目指す農家像は、里山の整備や鶏小屋作り、パンを焼く石窯作りなどなど、暮らしにまつわる100通りの仕事が出来る人という意味での百姓。
