2017.06.28
イチゴ出荷スタート
5月21日~5月31日 イチゴも赤く色づき始め、出荷のタイミングを見計らう時期となりました。
色艶・大きさ・甘さも順調。あとは出荷先によって梱包容器をどう使い分けるかが問題です。
イチゴはとてもデリケートな果実であり、一度収穫するとそう何日も新鮮な状態を保てません。
なので搬送の際も出荷先ごとに梱包方法も考えなくてはなりません。
搬送先は、本州・北海道内・町内と大きく3つに分かれます。
本州・北海道道内への搬送は、イチゴが触れ合わないように一粒一粒が独立し一段に並ぶトレーを選択し、町内・農園直売に関しては、よく一般のスーパーで見られる透明なパック容器(300g前後)としました。
(中長距離搬送用のイチゴトレー)
(近距離搬送用のイチゴパック)
ここで大きな問題が発生!
町内・北海道内に関しては1番味がのった完熟な状態で出荷しても、比較的良い状態で店頭に並ぶが、本州への出荷に関しては、何度テスト出荷を行っても良い状態で着きません。
搬送の際に、イチゴが容器に触れている部分の擦れキズ、容器圧着による実の潰れ等々が起きるという大問題です。
到着時そのような状態だともちろん店頭に並べる訳がない。この問題をどう解決していくか。
果実が完熟する手前の7分、8分で出荷してもまだまだ状態は良くない。
実が締まった状態で収穫し搬送するか!?
…結果、これでは到着時に赤く色味は付いていてもイチゴ本来の味、甘さがのらない。
6月に入り、様々な容器によるテスト搬送を試みたが、味は良くても色形が良い状態で届かず。せっかく「食べてみたい、是非売らせて頂きい!」と言っていただいたお客様に提供できない悔しさとジレンマが続いております…。
そのような中、関東の知り合いのお客様の中に、「それでも子供達の身体にできるだけ優しいイチゴを食べさせてあげたいので、多少キズがあっても加工用(ケーキやパン、ジャム)として使いたいのでキロ売りで送って頂けますか!?」という涙が出るような、嬉しい問い合わせもありました。
(私のイチゴを使って下さっている、神奈川県のお菓子屋さん「ナチュラルスイーツ『ToiToi(トイトイ)』、Facebookページはコチラ)
私の栽培しているイチゴ品種(けんたろう)は、5月中旬から6月末という非常に短い収穫期間のイチゴです。搬送問題に悩んでいる間にもどんどんイチゴは待ったなしで熟していく…。
イチゴが収穫できる間にできるだけ多くの業者さんに試食をして頂き、販路として繋げていかなくてはならない。たとえ自信を持ってお薦めできるイチゴができ、「食べてみたい!」と言ってくださるお客様がいても、最良の状態でお届けできなければ意味がない。
6月下旬に入った今でも、この事は切実な課題として残っています。この課題をイチゴが収穫できる期間内にどうクリアーして行くか!…とにかく様々な方法を試行錯誤し、国内・外、少しでも多くのお客様に食べて頂きたいと思っております。
渡辺博之(わたなべひろゆき)
北海道 豊浦町
1968年 北海道生まれ。映像ディレクターとして活躍していた40歳の時、学生時代からの念願だった世界一周の旅に出る。そこで出会った、ペルーの芋農家さんの暮らしに衝撃を受け、農家になることを決意。帰郷後、地元でイチゴを新たな特産物にしようとする取り組みに共鳴し、有機でイチゴを栽培することを決意。誰にも継承せず引退を考えていたイチゴ農家さんと出会い、研修を受ける。その方の農場をそのまま引き継ぐ形で2016年に新規就農。
