2017.08.30
イチゴ苗の定植
8月初旬~中旬
イチゴの定植準備も終え、いよいよ畝立てしたハウスへイチゴ苗を定植する作業に入ります。
そこで定植において私が大事にしている事をいくつか挙げてみたいと思います。
・定植する畝、土の水分状態
・天気
私の畑は場所によってわずかな高低差があり、ハウスも場所によって土の排水性・保水性が違ってくるため、それぞれのハウスで畝の高さ、水やりの量を変えなくてはいけません。水をやたらとあげても根腐れしたり、徒長(苗がひょろひょろと細く長く伸びる症状)の原因となってしまいます。なので、定植時には各ハウスの土の保水状態を均等にしておかなければなりません。
そこで1番気になるのが天気。
定植1週間前から、定植後に根が活着するまでの1週間。この2週間は毎日空とにらめっこ状態が続きます。この時期には、北海道にも本州から台風のなごりが温帯低気圧としてやってくるので、天気予報は殆ど信用できません。天気予報と異なりいきなり雨が連日降り続けたり、降ると予報されているのにいきなり晴れたり。
できることならイチゴを植える土には自然に雨を入れてあげたい。それでも水分が足りない場合はホースで水やり、多い場合にはハウスに屋根型のカーテンを時間ごとにかけたり、はずしたり。そうする事によって、苗の定植日までに土の水分状態を1番ベストな状態にもっていきます。
(定植準備を終えたイチゴハウス)
そして、いよいよイチゴ苗の定植当日。
イチゴ苗を植える株間は28~30㎝、狭すぎても広すぎても収量に影響してきます。そしてココで1番大事な事は、「植える方向」。苗にランナーを切った跡があるのですが、このランナー跡を必ず畝と反対方向になるように植えます。でないと成った実がすべて畝の中に伸びていき、生い茂る葉の中に隠れてしまい、成長不良の原因となり、収穫もとてもしづらくなってしまいます。
次に、「植える深さ」。深すぎても浅すぎても成長に影響してきます。根全体が土に隠れ、新しく出始めている新芽が、土に隠れることなく顔を出している。このような状態が、もっとも適切な植え込みの深さと言われています。
このような何点かの事柄を注意しながら、今回は、約5000本の苗を丸3日間かけて定植します。
(定植作業中の様子)
このあとは根が活着するまで、ひたすら日照・水分調整をする必要があるため、約1週間は水やり、天候、病害虫、獣害に油断できない日々が続きます。
どうか無事に根が活着し、元気な新芽が出てすくすくと育ちますように。
(定植後のハウス)
渡辺博之(わたなべひろゆき)
北海道 豊浦町
1968年 北海道生まれ。映像ディレクターとして活躍していた40歳の時、学生時代からの念願だった世界一周の旅に出る。そこで出会った、ペルーの芋農家さんの暮らしに衝撃を受け、農家になることを決意。帰郷後、地元でイチゴを新たな特産物にしようとする取り組みに共鳴し、有機でイチゴを栽培することを決意。誰にも継承せず引退を考えていたイチゴ農家さんと出会い、研修を受ける。その方の農場をそのまま引き継ぐ形で2016年に新規就農。
