SHARE THE LOVE

天野圭介 お山の中のフォレストガーデン

2017.10.04

フォレストガーデン進行中

ここのところ朝晩すっかり涼しくなり、秋の気配が深まってきました。時折吹くヒヤッとした風や柿の葉の紅葉、ススキや葦の出穂、コオロギやマツムシの鳴き声。夏の暑さが衰え、寒くて長い冬に向かう、このなんだか少し肌寒く、少し寂しくなるような季節の変わり目。今年もちゃんと季節が移り変わっていくことに感謝の毎日です。

さて、9月の我が家はといえば、なんといっても稲刈りでした。今年は9/9から稲刈りを始め、9/14までにおよそ2.5反の田んぼの稲刈りが終わりました。稲ははざがけ乾燥します。今年は昨年よりも豊作のような気がします。少しづつ土が育ってきたのかなとも思いますが、まだまだ改善の余地あり。毎年学びを繰り返し、来年、また来年と改善していく。これが百姓仕事の面白いところですね。

amano06_3

(秋の実りの風景)

今回のブログでは、我が家のフォレストガーデンづくりについて少し書いてみようと思います。家づくりや百姓仕事などの合間を縫ってのフォレストガーデンづくりの為、ゆっくりゆっくり進んでいますが、今は来年の春に向けて、菜園部分の開拓をしています。大量のワラビやススキ、クズやつる性植物で覆われた畑を開く為、まずは草刈り!草刈りしていくとだんだん地形や空間が見えてきて、僕の頭にふわふわとデザインが湧いてきます。刈っては止まり、ゆっくり眺め、空気の流れに想いを馳せ、その場がどのようになるといいかなぁ~と、ぼや~と感じます。

amano06_4

(フォレストガーデンのラフデザイン。これから実際やりながら考えていきます。)

そこで考えついたことが、畑と遊びを一緒にするデザインです!今まで畑に行くときは、収穫やメンテナンスの為が多く、ただ畑で時を過ごすということがあまりありませんでした。畑が自分の家から少し離れていたこともあり、畑仕事の為にだけ畑に行っていました。でも、家族や友人、動物などが集まり、話したり遊んだり、BBQしたり、たき火したり、星を眺めたり、ドラム缶風呂に入ったり、そんな遊びの中心に畑があったらどんなに楽しいか!畑が暮らしと遊びの中心にあれば、自然と心も通い、野菜たちへの気配りもしやすくなります。日中だけでなく、月明りの夜の野菜の表情もまたいいものです。家から近く、夜遊びする場所に野菜があると、なんだかワクワクします。

amano06_2

(野外キッチンや菜園、遊び場を作るフォレストガーデンのたまり場。廃材の屋根や棚を運んだところ。)

それから、物事の配置やデザインを決める際、互いの物事が相互作用し、多機能性を持つように配置することがとても大切です。例えば、菜園に野外キッチンを作ります。すると、収穫後の野菜の泥落としがすぐできます。その際、色の悪い葉っぱや虫食いなどは取り除きます。野外キッチンのすぐ横にヤギや鶏、アヒルがいれば、そのまま動物の餌になります。また野外キッチンでは切り干し大根や干し芋などの加工もできます。農具の保管場所や休憩所ともなり、まさに1石3・4鳥の機能を持つことになります。

訪れる頻度やそのものによって得られるアウトプット、また必要になるインプットを考え、互いを補い合うように配置することでより豊かな場のデザインが生まれます。池や菜園、遊び場、動物小屋、野外キッチンなど、フォレストガーデンを豊かにしてくれるアイテムをうまくつなぎ合わせ、良い空気の通う場を創っていこうと思います。

なんて言いながら、あっという間に冬が来るので、今からせっせと薪割りしなきゃ。今年も我が家は自転車操業です(笑)

その他の参加農家のコラム

  • きらめき合鴨米日記 八兒 美恵子
  • 北の大地のイチゴづくり 渡辺 博之

天野圭介

天野圭介(あまのけいすけ)
静岡県 浜松市

1985年神奈川県生まれ。2歳の時に父が脱サラし、静岡県の山奥でペンション経営を開始。そこでの自然と一体となった暮らしを原点に、アフリカ諸国を旅した後、オーストラリアでパーマカルチャーを学ぶ。帰国後、2014年、郷里に近い浜松市にて就農、農園『ONE TREE』を始める。米や大豆をメインに栽培。2015年には、世代を超えた有機農家の連携を図るために「ラブファーマーズカンファレンス」も開催した。

写真家の眼 天野圭介

過去の記事を読む
2016年の天野圭介さんのブログ

BACK TO TOP