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天野圭介 お山の中のフォレストガーデン

2017.04.28

お山のフォレストガーデン

静岡県浜松市で百姓をしております、天野圭介と申します。

今年挑戦者として新たに挑戦すること。それは、フォレストガーデンづくり。
昨年の僕のブログを見てくださった方は、何度か出てきた言葉かと思いますが、
今年はこのフォレストガーデンづくりにじっくりと取り組んでいきたいと考えています。
その様子を、毎月1回お伝えしていきたいと思っています。

第1回目のコラムである今回は、
「フォレストガーデンってなに?」について書いてみたいと思います。
名前の通り直訳すると、「森の庭(森のような庭)」ということになります。
森のような庭とはいったい何でしょうか?

まず、森について考えてみます。
ここで言う森とは、人間が直接干渉しない状態で、自然に植物が生い茂り、動物が棲み、命の営みが息づいている状態のことを森と考えます。それに対し、庭とは、人間の生活空間であり、人の営みと森との境界をなす空間と考えます。そう考えるとフォレストガーデンは、「自然に動植物が棲みついた人の生活空間」ということになります。
つまり、自然の動植物と人が共生する空間です。

なぜこのような空間づくりに挑戦するのか?それは、僕自身が、人が生きることによって、他の生き物を生かす暮らしが大切だと考えているからです。このような人の姿や暮らしに、他の生き物と変わらない、本来の人としての生き方・暮らし方があるのだと考えています。それを実践するのが、フォレストガーデンです。

では、実際これからどんなことをしていくのか?
今僕は、お山の中腹に開けた場所にある、築120年の古民家(材料自体は200年は経っているかも)を改修しており、これからそこに移り住み、生活を始めていこうと考えています。そこは、昔茶畑として利用されていた場所で、集落の人達の草刈り場や山菜・薪を採る場所として利用されていました。そこに住んでいた家族が村を出て、その場所はしばらく空き家状態でした。そんな場所を受け継いだのが1年前。ボロボロに傷んだ母屋や納屋をコツコツと改修し、なんとか人が再び住むことのできる環境が整いつつあります。

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(昨年から改修している古民家)

この場所に、自然に息づく動植物と人の生活空間を融合させた、森の庭を作っていきたいと思います。まずは、その場所をよく観察することから始めていきたいと思っています。
今そこは、ワラビやタケノコ、タラの芽、ミツバなどの食べられる植物が自生していたり
樫やコナラのような高木、アオキやシキミのような低木が生え、人の植えた茶の木が茂みを作っています。鹿やイノシシ、サルなどの動物もいます。この環境でいかに自然の力を引き出し、その力に寄り添い、人の暮らしと生き物にとって有益な空間を作っていくかがテーマです。

その為に、これから1年間、試行錯誤しながらあーでもない、こーでもないと挑戦してみようと思っていますので、みなさんよければたま~にコラムも読んでみてください!

焦らずに、じっくりコツコツやっていきたいと思っているので、
今年も1年、よろしくお願いします。

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(フォレストガーデン予定地。放置された茶の木が藪となり、動物のすみかに。
 まずはじっくり観察し、この場に流れる自然の声を聞き取ります。)

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天野圭介

天野圭介(あまのけいすけ)
静岡県 浜松市

1985年神奈川県生まれ。2歳の時に父が脱サラし、静岡県の山奥でペンション経営を開始。そこでの自然と一体となった暮らしを原点に、アフリカ諸国を旅した後、オーストラリアでパーマカルチャーを学ぶ。帰国後、2014年、郷里に近い浜松市にて就農、農園『ONE TREE』を始める。米や大豆をメインに栽培。2015年には、世代を超えた有機農家の連携を図るために「ラブファーマーズカンファレンス」も開催した。

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