2021年、SHARE THE LOVE for JAPANは、活動開始から10年の節目を迎え、これまでの集大成となる「SHARE THE LOVE　大地を愛する人々」と題した書籍を発刊。発売を記念し、2021年11月20日（土）・21日（日）の両日、東京・代官山の「代官山 蔦屋書店」に隣接する「DAIKANYAMA T-SITE (GARDEN GALLERY)」にて、「SHARE THE LOVE for JAPAN 大地のマルシェ」を開催しました。このイベントには、「大地にやさしい農業」に携わる全国のSHARE THE LOVE for JAPAN 参加農家・20名以上が集まり、お米や野菜・果樹・加工品などを取り揃え、多くのお客様とふれあいの時間を持つことができました。

これまで青山ファーマーズマーケットやオーガニックライフスタイルEXPOなどに出展してきましたが、今回は書籍の発売を記念し、初めてSHARE THE LOVE for JAPANとして単独で主催するイベントとなりました。外出を控える昨今の社会的風潮から、集客面で少なからぬ不安を抱えての開催となりましたが、好天にも恵まれ、結果的には大盛況。関係者全員で喜びを分かち合いました。

東京・代官山という場所柄もあり、今回のイベントには食やライフスタイルに対する感度の高い個人のお客様が多く来場され、波長の合う参加農家との出会いを楽しむ様子が数多く見られました。希少性や高付加価値のある野菜・加工品に対する反応が良かったのも、今回の特徴でした。「情報」で食品を選ぶ傾向も強まるなか、自らの「感性」を大切にして食と向き合う都市生活者との交流は、個人のお客様とのつながりを求める参加農家にとっても貴重な機会。大いに刺激を受けて、「価格に捉われず、本当に良いものを求める人」のイメージを掴めたという反応がありました。また、2日間の開催にも関わらず「昨日購入した野菜が美味しかったから」と連日来場いただいたリピーターも続出し、「こんなマルシェをまた開いて欲しい」という嬉しい声もいただきました。

今回のイベントは、SHARE THE LOVE for JAPAN 10周年を記念した書籍「SHARE THE LOVE　大地を愛する人々」の発売を記念して開催しました。SHARE THE LOVE for JAPANに参加する人々が、自然に寄り添う農業を通して、環境保全、安心安全な食の提供、地域コミュニティの活性化などに取り組みながら、既存の大量消費社会の価値観を超えて、真の豊かさや幸せを求め、大地と共に生きるようとする姿に迫った本書は、豊富な写真とインタビューを通じて豊かな未来へのビジョンを示そうとしたものです。当日、現地で購入いただいた方からは「農家さんの生き方が丁寧に描写されていて、現地にうかがってお会いしたくなりました」という感想も寄せられました。

こうしたイベントは参加農家にとって、志を同じくする仲間たちと顔を合わせることができる貴重な時間であり、農家としての課題を確認できる場でもあります。お客様の反応や一緒にイベントに参加する仲間の様子を見て、「自分の農園を紹介するフライヤーや、自分が作った野菜を美味しく食べられるレシピを渡している方もいて、お客様とのつながりを増やすヒントになった」「同じお客様に何度も繰り返し買っていただくためには、もっと工夫が必要だと感じた」など、次のステップに進むための気づきが得られることも少なくありません。

コロナ禍にあって対面することが叶わなかった2021年の3名の「挑戦者」も、ブースを並べてマルシェに臨むことができ、お互いの考えに触れながら、切磋琢磨する様子が見られました。

イベント1日目が終了した後に開催した参加農家交流会では、それぞれの近況を報告し合いながら、交流を深めました。「場所は違えど、やはり同じような農業の悩みを抱えている仲間がいることを知りました」「各地で頑張っている仲間の存在を改めて感じ、今までの事が報われた想いと未来が明るく前向きに見えた一日になりました」といった参加農家のコメントからも、SHARE THE LOVE for JAPANの存在意義を再確認できる2日間となりました。

2022年は、SHARE THE LOVE for JAPANの理念をさらに深く、さらに多くの方に知っていただくために、全国各地の書店で10周年記念書籍を紹介するイベントや、参加農家の学びを深める勉強会などを実施する見込みです。11年目に入るSHARE THE LOVE for JAPANの活動に、これからもぜひご期待ください。