2017.12.20
SHARE THE LOVE for JAPANにおける山下一穂さんの足跡
SHARE THE LOVE for JAPANにおいて、「先駆者」としてわたしたちをみちびいてくれた山下一穂さん。
山下さんへの感謝の気持ちを込め、SHARE THE LOVE for JAPANにおける山下一穂さんの足跡をご紹介させていただきます。
2014年から始まった「先駆者の言葉」、その第2回、第9回、第11回と3回登場いただきました。
■先駆者の言葉Vol.2 日本の未来のためになる有機農法のやりかたをみんなに教えたい
■先駆者の言葉Vol.9 塾生たちは、有機農業を軸とした”田舎からの国づくり”をしていく仲間
■先駆者の言葉Vol.14 農家とはエンターテイナー 究極のサービス業
2015年8月、新規就農者、農業学校生徒向けシンポジウムにご登壇いただきました。
2016年12月、「挑戦者」向け研修合宿の講師を引き受けていただきました。
*****
ここで、これまでにSHARE THE LOVE for JAPANでの取材でたくさんの山下さんの写真を撮り続けてきた、写真家・公文健太郎氏からのメッセージをご紹介いたします。
山下さんのことは、「言葉」と、「画」で思い出される。
畑や、飲み屋での「出来事」は、もちろん大切な思い出なのだが、
それ以上に「言葉」と「画」が僕の中に刻まれるように残っている。
「公文くん。やさいと写真はいっしょやなー」
と言われても、僕にはまだそれが意味することがわからない。
けれどずっと忘れられず、きっとこれからもその言葉の意味を、
耕す人を撮る中で探していく。
「公文くん。君は、いい目をしちょる」
と言われても、つい目をそらせてしまう。
山下さんの目は、柔らかく、同時になにもかも見透かされているようで、
油断ができないからだ。
山下さんの「言葉」は、いつも短く、粋で、優しかった。
そして、山下さんの「画」も忘れられない。
葉脈が網目のように張ったキャベツの葉、気をつけしたようにすっくと立つ葉物の列。
そして、それらが延々と続く、花畑のように美しい畑。
写真に空気が映るのだとしたら、この畑の空気を写してみたいと思った。
11月27日の朝、知らせを受けた。
あまりに急なことで信じられなかったが、方々からの知らせで現実のものと知った。
急すぎる別れで寂しく、悲しかった。もっと「言葉」を聴き、
「画」を見せてもらいたかった。
花畑に立つ山下さんが、くるっと振り向いて何かを言ってくれるのをなんども想像しながら、その日の仕事に向かった。
携帯電話に一通のメッセージが届いた。
「公文さん。頼まれていた生姜、収穫が無事終わりました。順次発送しますね」
山下さんの弟子の一人からの連絡だった。
こんな日に、何事もなかったかのように、畑に向かう。
野菜は待ってくれない。
次、次に進んでいく。
そんな山下さんの言葉が聞こえたようだった。
あまりにも急な別れになってしまったが、
僕はたくましいお弟子さんたちが築かれる新しい農業を写していきたと思う。
そして彼らがつむぐ「言葉」と「画」からまだまだ学ばせていだきたい。
山下さん。ありがとうございました。
心からのご冥福をお祈りいたします。
写真家・公文健太郎
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このほかSHARE THE LOVE for JAPANに参加してくださっている農家の方々からのメッセージは こちら からご覧いただけます。
また、Facebook公式ページでは公文氏が撮影した山下一穂さんの写真も公開しております。
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