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2014.10.10

有言実行(でありたい)

秋ですね。
収穫の秋とはいいますが、
実際この時期、夏野菜が草臥れて秋冬向けの野菜が芽吹き大きくなってる時期で、
去年も同じでしたが、バッチリ端境期にハマってます。
売り物がありません!

これを回避する為に夏の間に種を蒔く必要があるんですが…
週末はイベントに出店したり、草刈りだけで1日終わるのに平日は夏野菜の暴れっぷりを制しつつ、出荷して種まきなんてできないっすよ。
やらないからこうなんですけど。

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やらなければいけないと言えば、ウチの野菜はだいぶ安価です。
これは有機の認証が無いからではなくわざとそうしています。
有機認証を取っても今100円のが200円になんて死んでもやりません。
理由はいろんな人が美味しい野菜が食べれるように。これは前にも書きましたね。

これは「水道哲学」と言うのがあって、松下幸之助さんが言ってたらしいのですが
「水道の水のように品質の良い物を沢山揃えて買いやすい値段にしないといかん」って考え方です。
今日これを知りました。
松下幸之助さんの考え方は僕が個人経営の洋服屋を始めるにあたって参考にさせてもらったもので、未だに影響を受けまくりなんですね。

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で、この水道哲学からするといまの作り方にこだわりを持つ方の品物は良いんでしょうが、
べらぼうな値段が付いてたりしてなかなか手が出ない商品が多いような気がしますし、
値段が安いと今度は「え?食えんの?」って言いたくなるほど品が悪い。
例が極端ですが、安かろう悪かろうを地で行ってて僕に言わせれば恥知らずですね。

これってどういうことかなと自分なりに考えるんですが、
今のところ、生活するための値段であるか自分の品物を売りたいだけの値段であるように考えています。

別に良いじゃないかって?

何言ってんのダメじゃん。

何のために商品を提供するかって、
自分のためなら自家菜園で我慢しとけってはなしで。
売るって事は買ってもらうわけだから、
できるだけ良いものを安く出すのはお客のためでしょ。

自分が買い物するときだって、
「これがこの値段でいいの?」ってのを手にしたいですよね?
そういうことなんです。
あと十年もすれば今はバリバリで耕耘機を転がしてるジイ様方の体が動かなくなります。
そうなった時に良いとはしりつつ高い野菜を買えない人は?睡眠時間や家族との時間を削って働きたいですか?
以前、ある人が金時計を持って野菜を買いに来る時代がくる!と醜いドヤ顔で語ってたのを聞きましたが、そんなに高いお金を払って野菜を買うなんて、ありえますか?

農家ってのは同じクオリティの物を沢山育てられる人です。
その、沢山育てたものを沢山の人に食べてもらうのが仕事で責任と言ってもいいかもしれません。
ある意味社会奉仕です。人の足元を見てはいけないんです。
自分のようなペーペーが偉そうな事言うなって自分でも思いますが、
考えてなければ間違いなくできないでしょ。
言っても良いじゃないですか。

challenger

油井敬史

自由を愛する畑びと
油井敬史(ゆいたかし)
神奈川県 相模原市

1979年宮城県角田市生まれ。
レストランなどの飲食業勤務やアパレルショップの経営を経て、有機農業の会社で二年半の研修を受けた後、昨年9月に就農。

写真家の眼 油井敬史

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