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2014.07.18

研修も含めて四年。

これまでの経験から、美味しい野菜を育てるには土がキモなんだろうと感じるに到りました。
以前にもざっくり『土が大事だよね』って事は触れたんですが、また別の角度から土の話をしてみます。


まず、良い土とはなんだろうと考えると、それは、多様な生物がいる土だと思います。
例えば、山の中。肥料もないのにすくすくと草花が育つのも、そこが良い土だからなんだと思います。

なのでこれを畑に置き換えて考えると、なるべくトラクターのような重たい機械は入れない方が良いことになります。
なぜかといえば、トラクターに踏み固められてカチカチに固まってしまった土では、そこで生きる様々な生物や、その生物が作る栄養も行ったり来たりすることが出来なくなります。つまり、自然の循環サイクルが成立しないことになります。
そして、その補填のために肥料をまくことになるのです。

とはいっても、機械を全く入れずに、雑草の根の力で耕す「不耕起栽培」を実践しようとすれば、何年もかけて雑草にまけない野菜の種を作ることから始めなければなりません。
そうなると、農家として食えなくなってしまいます。

だからといって、機械に頼りすぎれば畑の土が育たなくなり、それは野菜の旨味にも直結することになります。

何度も書いていますが、自分の目標は「美味い野菜を多くの人に」届けることです。
だから、土が育ってくれないと困るし、同時に量も作れないといけない。

omoi0718yui

「じゃあ実際、どんなやり方が良いの?」
と思うでしょうが…


分かりません。


規模が大きくても旨い野菜を効率的に沢山作れるやり方。
つまり旨い野菜を沢山の人が食べれるやり方。
耳障りの良い綺麗事かもしれません。
それでも、もっと実験して、もっと勉強も人からの話も聞いて。
そして、土の力を借りながら、やっていこうと思ってます。


写真は、畑で芽を出した空芯菜です。
こいつは、こんな姿ですが、目一杯生きてます。
くっついてるのは、虫の幼虫とかではありません。
種の殻です。
この土の力で大きくなっていくんです。

challenger

油井敬史

自由を愛する畑びと
油井敬史(ゆいたかし)
神奈川県 相模原市

1979年宮城県角田市生まれ。
レストランなどの飲食業勤務やアパレルショップの経営を経て、有機農業の会社で二年半の研修を受けた後、昨年9月に就農。

写真家の眼 油井敬史

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