2014.05.14
モチベーション
これまで三年間、農業に携わり、畑を耕してきました。
以前にも書いたように、それまではアパレルや飲食でしか働いたことがありませんでした。
そんな人間が、どうして農業を続けて来られたのか、今日はそのことについて書いてみたいと思います。
相模原に越してきてから、それまでにないほどの危機感を感じました。
というのも、この地域で暮らす移住組のうち、九割の人たちは自分の立ち位置や出来ることが分かっているのに、自分には何の取り柄も無く、どんどん取り残されていっていることを肌で感じたからです。
正直なところ、有機農業の将来よりも自分の将来のほうを気に病み、たまたま求人を見つけた農業の世界に飛び込んだといった方が実情に近かったように思います。
始めたばかりの頃は、右も左も分からずにとにかく言われたことをこなすのが精一杯。
今でこそ多少の知識と経験がついてきたので偉そうにこのブログに関わらせてもらっていますし、少しづつではありますが「美味しい」とか「楽しみにしてる」とか言われるようになりましたが、まだまだ及ばない部分も多く、本当のプロには鼻で笑われる程度のこの現状が単純に悔しいです。
何度もいいますが、まず自分の目標は、出来る限り沢山の種類の野菜を出来る限り多く育て、出来る限り買いやすい値段で買ってもらえるようにすること。
つまり、沢山の人が買える美味しい野菜を作る。
そうすることでしか、移住した頃に感じた危機感を拭えないし身近の仲間とも対等に付き合えない。と言うところが正直な気持ちなのかもしれません。
もちろん、一人では何も出来ないし、カリスマと呼ばれるような人でもない。そうなれるとも思えないし、やはりいろんな人の助けや縁を三方良しどころかもっと多方面にも良しとなるような形にしていき、身近の仲間と対等に付き合いたい、ってのもありますね。
どういう方法があるのかわかりませんが、色んな人のお世話になった分、色んな人に喜んでもらえるようにしたいです。
『農家やってます』って胸張って言うには、いくら身近な人の評価が上がって認知されてきたとしても、『沢山の人が買える美味しい野菜を作る』という目標を達成しなければならないと思っています。
この思いがモチベーションとなって、今日も畑にいるんです。
自由を愛する畑びと
油井敬史(ゆいたかし)
神奈川県 相模原市
1979年宮城県角田市生まれ。
レストランなどの飲食業勤務やアパレルショップの経営を経て、有機農業の会社で二年半の研修を受けた後、昨年9月に就農。