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2014.04.30

自分は土、慣行農は野菜

自分は土、慣行農は野菜

こんにちは。または、こんばんは。


早速ですが、農法には、有機農法や慣行農法(農薬や肥料の回数などにおいて、その地域の相当数の農家で行われている一般的な農法)をはじめ、色んなものがあります。

第一回にも登場した私の祖父は慣行農で、肥料や種以外にも色々まいていたのをおぼろげにですが覚えています。

一方で、父は減農薬で米を作り、挫折しそうになりながらも畑は有機栽培を目指しています。


慣行農と有機で何が違うかザックリと言うと、化成肥料や農薬を使うか使わないかということです。使えば収量は確保できるし、育ちも早いしキレイ。

使わなければその逆になりがちです。(がちと言うのは中にはそうじゃない方が居るようですがまだこの目で見てないので・・・)

例えば、作り方は有機だとしても、有機と表示されずに慣行農野菜と同じ様に並べられた場合、「虫に喰われてる」、「見栄えが悪い」等々…お客さんがどちらを選ぶかは火を見るよりも明らかなわけです。

ただ、有機と表示されるには、有機JAS認定を取得しないといけません。しかも、有機認証を取るには結構なお金がかかります。



『じゃあなんで有機農を選んだの?』って思うかもしれませんが、その方が美味しくなりやすいと思っているからです。

じっくり育てた方が美味いと思ってます。

だから、まずは美味しく出来れば、後々収量も増やすことは出来ると思っています。逆はなかなか…ですよね。

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まず自分の場合ですが、土を作りたいんです。

土はいわゆる地面といった目に見えるものだけでなく、地中には色んな生物がいて、色んな要素があります。それに有機の場合、化成肥料ではなくて動物の糞や落ち葉など、生物由来の原料からつくった有機肥料なるものを使います。

何が違うかと言えば、ビタミンを取りたい場合に、ビタミン剤を飲むかミカンを食べるかくらい違います。

自然の中だと、犬の糞ですら分解を重ねて元素と同じ位まで細かくなります。雨水だって空気中にあるモノを地中に運びます。雑草の根っこですら雨水を地中に運ぶのを手伝うし土だって柔らかくしてくれます。本当に色んなものがあって色んな作用をして野菜の栄養になり、野菜が育ちます。こうしてみると、食べ物だけでなく、睡眠や運動など色んな要素でできている人間の体みたいですが、こうしてじっくり出来た野菜が美味いと思っています。



量と見栄えに特化した慣行農はそれらを出来る限りすっ飛ばして野菜に必要な栄養をほぼ直接、効果的に与え害虫は薬で殺して回ります。着眼している部分が違うようですね。自分は土、慣行農は野菜。



どちらが良いも悪いも無く、自分は味をそのままに収量を増やしたいと考えています。

収量を増やすには栄養をあげるわけです。ただし、堆肥を畑に入れれば育ちは良くなりますがエグ味が出がちです。

とはいえ、今の自分みたいに、エグ味が嫌だから何もしないと、取れる量が少ないので困ります。なんとかエグ味が無い美味しい野菜を沢山作って、色んな人に食べてもらえるようにと、試行錯誤しながら、考えながら、畑に向かい合っています。

されど野菜ですが、たかだか毎日食べる野菜です。どうすれば美味しいのが沢山できるようになるのか、これからもずっと考えないといけない部分です。



こうして出来た野菜の売り先は、幸運なことに、こちらからお願いした場所よりも、誰かに誘われたり紹介して頂いたりの所が多いです。

こんな良すぎる環境にいるのに、肝心の野菜が思うように出来ないのが不甲斐ないばかりですが、これが偽らざる現状です。



今月から記事を書かせてもらって間も無いので真面目っぽい話ですが、独断や偏見まみれだと思います。

それでも、これが自分の目線から見たものですのでよろしくお願いします。

challenger

油井敬史

自由を愛する畑びと
油井敬史(ゆいたかし)
神奈川県 相模原市

1979年宮城県角田市生まれ。
レストランなどの飲食業勤務やアパレルショップの経営を経て、有機農業の会社で二年半の研修を受けた後、昨年9月に就農。

写真家の眼 油井敬史

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