2018.07.15
オリーブの挿し木をしています。
短い梅雨でしたが、それでも何日か雨が続く日がありました。
そんな日のオリーブ農家はのんびり読書、といきたいところですが、
屋内の仕事もいっぱいあります。
そのうちの一つが、溜まっていた挿し木の鉢上げ。
根が出たオリーブの挿し木をポットに移し替えて苗にする作業です。
実はうちのホームページで一番検索数が多いのが、「オリーブ 挿し木」です。
簡単に言うと、オリーブの枝を土に挿しておくと、根が生えて苗になる、
ということなのですが、言うほど簡単でもありません。
剪定したオリーブの枝を200本ほど(トレイがいっぱいになる量)まとめて、
土を入れた一枚のトレイに挿します。春夏だと2ヶ月ほどで発根しますが、
私の通算成績では発根率10%程度です。
調子がいい時は50%程度いきますが、悪いと200本全滅の時もあります。
成功率に関係がある変数は、品種、季節、温度、湿度、方法ですが、
まだ研究中なのでデータ不足です。
挿し木の詳しい方法はこちら
(トレイに挿しているオリーブの枝)
(挿し木の発根)
「なんのために挿し木をするのか?」というと、
苗を自力で調達して、苗代を浮かせるというのが建前です。
しかし、この低打率では苗屋さんで買ったほうが効率的です。
それでも続けているのは、自分のオリーブを最初から育てて大きくするという、
農家としての育てる喜びを感じたいからかもしれません。
枝から根が出て、芽が出て、枝が伸び、徐々に大きくなっていく。
いつか畑でさらに大きくなり、たわわな実が風に揺れる、
そんな未来を想像すると楽しくてしょうがない。
とはいえ「効率的」ではないので、雨の日の息抜き仕事として、ちょうどいい感じなのです。
よろしければホームページもご覧ください。
南アルプスのオリーブ畑 ながら|olive.organic
湯浅純(ゆあさじゅん)
山梨県 南アルプス市
1973年岐阜県生まれ。ゲームやIT業界で20年間働き経営も経験した後、オリーブ農家を志す。小豆島の有機オリーブ農家山田典章さんに影響を受け、同じ有機栽培を目指して、2017年「南アルプスのオリーブ畑 ながら」を開く。5年後にはオリーブ栽培を1000本に拡大、搾油所を建設予定。