SHARE THE LOVE

2017.12.24

総括。そして今日もタネを播く。

遂にこのブログも最終回となりました。今回はこのSHARE THE LOVE for JAPANに参加してからの総括も兼ねて、今後考えている私の方向性について書いてみたいと思います。

(1)販路の確保
JA、スーパー等、合計200箇所ぐらいに出荷ができるようになったので、自分が栽培した作物を全て捌けるだけの販路は確保できたと思います。加えて、スーパーについては店舗毎のタイプ(関連ブログ「選ぶ農家、選ばれる店舗」)も把握でき、店頭で値下げされるリスクを極力避けた出荷コントロールができるようになったので、高い収益性をキープできる見込みが立ちました。

(2)栽培技術の向上
販路の確保がひと段落したので、今後は栽培技術の向上により力を入れていきたいと思っています。私は現在、約3反(30アール)の無農薬・無化学肥料栽培をする区画と、父親が主体のお米やキャベツなどの慣行栽培を適宜手伝う、という2本の軸で農業を営んでいますが、当面は自分が世話をしている3反のうち、通路等のデッドスペースを除いた部分について、年間通じて90%程度の利用率(利用=何かしら栽培している状態)を実現できるような、自分なりの栽培を確立したいと思っています。

そのためには、
 ・天候・気候の変化に柔軟に対応できる輪作体系の組み立て
 ・秀品率を上げるための栽培技術の習得
 ・栽培中に次作以降のための有機物を適宜補給していく方法の模索
などをクリアしていく必要が出てきます。

(3)将来展望
3反をうまく回せるようになってきたら、次は規模の拡大をしていきたいと思っています。規模を増やしていくとなると、果樹やアスパラガスのような1度植えれば何年も収穫ができる永年作物も、うまく採り入れていく必要が出てくるかもしれません。永年作物についてはこれから勉強していかないといけないですが、和歌山は梅、ミカン、柿など果樹栽培が盛んなので、世話ができなくなってしまった果樹畑を受け継ぐという形の「大地にやさしい農業」の実践も、選択肢の1つとなってくるかもしれません。

最後に、このSHARE THE LOVE for JAPANに参加できたことをとても嬉しく思います。これまで大半の農家は、苦楽を共有できる仲間や、農業に関わる情報源が、自分が農業を営む地域周辺すなわちローカルな範囲に留まっていたと思います。そんな中、先駆者開拓者挑戦者という、地域も農業のスタイルも経験値も違う農家達が一同に会する機会を提供してくれるのが、SHARE THE LOVE for JAPANの最も価値のあるところだと思います。

新しい価値観を持って茨の道かもしれない農業界に飛び込んできた挑戦者、自分のスタイルを模索し方向性が見えてきた開拓者、自分のスタイルを確立しつつもまた新しい境地に突き進む先駆者。いろいろなステージにいる農家達を結びつけるハブとしてのSHARE THE LOVE for JAPANを、私も今後一緒に盛り上げていければと思っています。

振り返ればみればあっという間の9ヶ月間、ありがとうございました!
そして今後ともよろしくお願い致します!

y1

(寒空の中、また今日も新しいタネを播くためにトラクターを走らせます。)

challenger

吉田壮伸

吉田壮伸(よしだたけのぶ)
和歌山県 和歌山市

1981年和歌山県生まれ。大阪大学大学院基礎工学研究科修了後、大手コンサルタント会社から最新のスマホアプリを扱うベンチャーまで3社のIT関連企業で働く。実家に戻って、2016年就農。農業を体系的に知るため有機農業の学校で学んだ。

写真家の眼 吉田壮伸

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