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2017.12.16

守破離

このブログも今回を含めて残すところあと2回となりました。今回のタイトルは「守破離」です。

「守破離」とは私の好きな言葉のひとつで、
「守」:師匠や流派の教えや型を習い、忠実に“守る”段階
「破」:他の流派についても学び、自分に合ったより良いやり方を見つけ、既存の型を“破る”段階
「離」:師匠や既存の流派から“離れ”、独自の新しいものを生み出し確立する段階
というあらゆる“道”の修行における3つの段階を表した言葉です。

無論、農業でも通用する言葉だと思います。
私は就農してまだ2年程度なので、農業の“道”という意味では「守」の段階にいると思います。ただ、これから農業を始める方々や、私のような農業若年者は、「守」と「破」の段階を同時に踏んでいかないといけないのではと思っています。

なぜ「守」と「破」を同時進行すべきなのでしょうか。
ITにより栽培に関するいろいろな情報を入手し易くなったこと。食の安全に対する消費者の意識が高まってきていること。流通の進歩により様々な形態の販路ができてきていることなど、理由は細かく挙げれば色々とあると思いますが、一言でいうと「農業を取り巻く環境がどんどん変わってきており、その変化に乗り遅れないようにしないといけないから」だと、私は思っています。

私の父親は、今までずっと栽培してきたコメ、キャベツ、タマネギ、冬瓜を中心に慣行農法を行い、出荷先は基本的にJAです。一方で私は自分のやりたい無農薬・無化学肥料栽培に挑戦しつつ、JA以外にも販路を開拓して出荷をしていますが(販路については前回のブログ参照)、父親側の作業で人手が必要な時は適宜手伝うというスタンスで「守」と「破」を同時進行しています。

全ての作業を父親と一緒にやらずに、自分なりに栽培方法を模索しているのは、父親のやり方や慣行農法を単に否定しているわけではなく、自分で勉強・実践することにより自分なりの判断軸を持ち、合理性、収益性、作業効率性、道徳性といった面でより良いやり方を目指したいと思っているからです。

そしてゆくゆくは「離」の段階、自分なりの新しい農業のスタイルに到達したいです。それに向け日々取り組んで行きたいと思います。

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(播種機でキャベツの苗を定植していく父親。機械の使いこなし方もとても大事です。)

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(手前がタマネギ、左奥がキャベツ。タマネギの条間に砕いたワラを敷いていきます。)

challenger

吉田壮伸

吉田壮伸(よしだたけのぶ)
和歌山県 和歌山市

1981年和歌山県生まれ。大阪大学大学院基礎工学研究科修了後、大手コンサルタント会社から最新のスマホアプリを扱うベンチャーまで3社のIT関連企業で働く。実家に戻って、2016年就農。農業を体系的に知るため有機農業の学校で学んだ。

写真家の眼 吉田壮伸

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