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2017.10.31

農業はクリエイティブである

今年もニンニクの植付け時期がやってきました。ニンニクは今年が2年目。以前ブログでも紹介しましたが、昨年は初めてにしては収穫量があったものの、除草作業に手を取られたり、収穫適期を逃して商品にならないものも一部もあったりと、色々と改善すべき点があったので、今年は省力化と収益性向上に取り組んでいきたいと思っています。

さて、今回のタイトルについて。

農業というと泥にまみれて地味な作業を長時間延々と繰り返す、というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかと思います。このイメージ通りの部分ももちろんあるのですが、品質の良い農作物を収穫することをゴールとした時に、そのゴールに至るアプローチ(=栽培方法)は1通りではなく、また自然を相手に一筋縄ではいかないところに、クリエイティビティ(創造性)を発揮できる部分が多分にあり、そこが農業の面白いところかなと思っています。

私のニンニク栽培では、経験が浅いなりに考えた結果、穴あき黒マルチの上に透明マルチを重ねるという方法を採っています。黒マルチは防草効果があるものの、透明マルチの方が地温を上げる効果は高くなります。ただし透明マルチだけだと草が生えて除草の手間がかかってしまうのですが、除草剤は使わないと決めています。ならば2枚重ねてみようと。2重マルチの場合、機械で張ることができず、手で張る以外ないので手間はかかりますが、昨年もこのやり方である程度うまくいったので今年も踏襲しています。

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(ニンニクを植え付ける畝。穴あきの黒マルチの上から透明マルチを張っています。穴が白くなっているのは水蒸気で、保湿効果も見て取れます。)

マルチを張った後、植え穴を開けていかないといけないのですが、深さが均一になるように、かつ出来るだけ楽に穴を開けていきたいので、下の写真のような穴開け用の道具を自作しました。誘引などに使用する支柱と、支柱を固定するためのジョイントを使っています。ジョイントを微調整すれば、穴の間隔や深さも変えることができます。また同時に5穴開けていくことになるので省力化にもなります。

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(自作穴あけツール。下側の横に渡した支柱に足を置いて踏み込めば均一な深さの穴があけられます)

これらのやり方は誰に教わったわけでなく、ネットで見たわけでもありませんが、作業をイメージしながら知恵を絞り、自分が持ちうる道具や資材を組み合わせて、より快適に作業ができるように自分自身でプロセスを改善していくのも、農業の面白いところだと思っています。

ということで今年もニンニク2万個、頑張ります!!

challenger

吉田壮伸

吉田壮伸(よしだたけのぶ)
和歌山県 和歌山市

1981年和歌山県生まれ。大阪大学大学院基礎工学研究科修了後、大手コンサルタント会社から最新のスマホアプリを扱うベンチャーまで3社のIT関連企業で働く。実家に戻って、2016年就農。農業を体系的に知るため有機農業の学校で学んだ。

写真家の眼 吉田壮伸

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