2017.10.16
有機物を寄せて、地力を上げる。
稲刈りの時期になると畔にはヒガンバナが咲き、ヒガンバナの赤、稲穂の黄・緑、空の青がきれいなコントラストを見せてくれます。はや今年も残り3ヶ月、冬そして来春への準備をしっかりしていきたいところです。
(畔に咲くヒガンバナ。毎年秋の到来を知らせてくれます)
農業をする上での私の方針として、「有機物を無駄にしない」というのがあります。畔の刈り草、整枝作業などで発生する剪定くず、イネの籾摺り(もみすり)時に出る籾殻(もみがら)など、作物として商品にならない有機物は色々あります。
地域的に、これらの有機物は圃場で焼却してしまうことが多く、我が家は籾殻を燻炭(くんたん;籾殻を焼いて炭化させたもの)にして、土壌改良や被覆資材として使ってきましたが、余った籾殻は焼却してきました。
以前の記事「雑草はお宝!」で雑草について触れましたが、雑草を含め、これまでは捨ててきた有機物も有効活用し始めています。
(秋ジャガイモの畝の間に籾殻を投入。雑草防止と分解後の土壌改良効果を期待)
(畔の刈り草。野積みにしておいて分解が進んだら畑に堆肥として戻します)
(野積みしただけで約10ヶ月放置した後の状態。草は細切れになりフカフカに)
有機物は、光合成で取り込んだ太陽光エネルギーの塊。畑や畑周辺で出た有機物をもう一度畑に集めて、肥料、土壌改良資材、被覆資材として活用する。まさに「有機物を寄せて、地力を上げる」。単に買ってきた堆肥や肥料を圃場に畑に投入するだけではなく、使える資源は無駄なく使い、合理的な農業をすることを目指していきます。
吉田壮伸(よしだたけのぶ)
和歌山県 和歌山市
1981年和歌山県生まれ。大阪大学大学院基礎工学研究科修了後、大手コンサルタント会社から最新のスマホアプリを扱うベンチャーまで3社のIT関連企業で働く。実家に戻って、2016年就農。農業を体系的に知るため有機農業の学校で学んだ。