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2017.07.16

雑草はお宝!

ようやく梅雨らしくなってきました。
降り続く雨で野菜も雑草も(!?)伸び放題!
今回は、私の雑草についての考え方の変化について触れてみたいと思います。

「雑草」。

特に農家の方にとっては良いイメージを持っている方は少ないのではと思います。私も農業を始めた当初は、それこそ「野菜を植えている畝の雑草は、1本残らず引いてやる!」と思うぐらい、忌み嫌う存在でした。

ただ、そんな雑草に対する考え方を変えるきっかけが2つありました。

1つは、農業のビジネススクール(アグリイノベーション大学校)で有機農業について習った時に、「雑草をはじめとする有機物を圃場にすき込むことで、土の団粒化を促し、通気性、保水性、排水性の良い土壌を作ることができる」と知ったこと。

もう1つは、自分の圃場の何箇所かにソルゴーを蒔いた際、刈り取った雑草を積み上げていた一画のソルゴーが、他の箇所に比べて断然成長が良いことを発見したことです。

考えてみれば、遺伝子という設計書が違うだけで、雑草も、構成している物質は分子レベルでは自分たちが育てている野菜と同じ。雑草も光合成をして太陽光エネルギーを取り込み、やがて枯れては土に還り、将来の作物の糧になる。

伸び放題の状態では煩わしさもある雑草も、ひとたび刈り取ってしまえばもはやこちらの味方。すき込めば土壌を改善し、畝の上に積んでおけば被覆資材となる、まさにお宝です。

とはいえ、作業効率を考えると、ところ構わず雑草を生やしても良いというわけではないので、「雑草とうまく付き合っていかなければ。」と、いつもより強く思う梅雨の日々でした。

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(ミニトマトの畝の周りが雑草だらけに…。新たな畝を立てるべく、他の圃場と合わせて1週間ぐらいで綺麗にしていきます…。)

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(上:冬瓜畑。冬瓜も雑草も伸びてきました。下:冬瓜の実。収穫までもう少し!)

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吉田壮伸

吉田壮伸(よしだたけのぶ)
和歌山県 和歌山市

1981年和歌山県生まれ。大阪大学大学院基礎工学研究科修了後、大手コンサルタント会社から最新のスマホアプリを扱うベンチャーまで3社のIT関連企業で働く。実家に戻って、2016年就農。農業を体系的に知るため有機農業の学校で学んだ。

写真家の眼 吉田壮伸

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