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2019.09.30

師匠である大渡清民氏(Hello Farm Organics)から学ぶこと「思想編」 ~農業経営にも通じる師匠の教え「究極の営業方法と環境の事を第一に考える」~

前回に引き続き、今回も私の師匠の大渡氏から学んだ大切なことを書きたいと思います。

「師匠の究極の営業方法」
毎週3回~5回にまとまった量の野菜を出荷されているのですが、その中に「おまけ」と言う名前でレモングラス、オレガノなどのハーブ類や野菜を小袋に入れて一袋50円~100円ほどで販売されています。

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(レモングラス)

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(レモングラスの出荷作業)

オレガノは、細くて軽いので必要な量を採るまでにけっこうな時間がかかります。
「この作業は時給にするといくらなの?」「手間ばっかり掛かり儲けになるのかな?」など考えていると、大渡氏から「これは儲かる、儲からないの話ではなく、『この農園に連絡すればハーブや野菜など何かしらあるのではないか』と思ってもらえることが大事。そのついでに『他の生産物もありますよ』、と伝えると次からそれも買ってもらえる」と聞いて、さすが師匠!さらりと営業もされていて顧客の心をがっちりつかんでおられます!

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(オレガノの収穫)

「お金の事ではなく、まず環境の事を第一に考えて」
お金のことも大事だけれど、まず環境の事を第一に考えて、という教えを大渡氏からいただいたことがあります。
私が栽培している伏見甘長とうがらしに病気が出たときに、薬剤散布をしようと考えている事を伝えると、「一度薬剤を使ったところは数年間は有機栽培はできないし、いま有機野菜を買ってくれる会社がすでにあるのに、そこにも販売できなくなる。今後は有機野菜のニーズはより増えていくと考えられるから作った分だけ売れる。だから長期的に考えたら使わない方が良い。」という教えをうけました。
その時、私は伏見甘長とうがらしをできるだけ収穫して売りたいという思いが強かったので、何とかして病気を抑えないといけないという事ばかり頭にありました。しかし、大渡氏の言葉を聞いて、豊かで肥沃な土地があってこそ持続可能な農業ができるのだと改めて考えなおし、今後のはまちえ農園の方向性を決めていくうえで大事な出来事となりました。

師匠と同じようにすれば良い野菜が作れて、稼げて、心身ともに豊かであるはず!と確信を持てるようになったので、師匠の真似をして失敗しながらも自分の身になるまで諦めずにどんどん実践していくのみです!

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安井千恵

安井千恵(やすいちえ)
はまちえ農園
京都府 京都市

1987年富山県生まれ京都育ち。大学卒業後、紛争・貧困地域のこどもに医療援助を行うドイツの組織でインターンシップを経験。生きる糧となる「食物」と「職」を生み出すことができる「農業」に可能性を感じ、就農を決意。帰国後、京北町に移住し、農業研修後「はまちえ農園」を開始。中山間地域で持続可能な農業経営に挑む。

写真家の眼 安井 千恵

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