2019.07.29
中山間地域・京北での農業のメリット・デメリット
京北は京都駅から車で約90分北上した所にあり、四方を北山杉の山々に囲まれた、いわゆる中山間地域です。そんな環境での農業は一体どんな感じなの?ということを今回書きたいと思います!
まずはメリットから!
◎京北では昼夜の寒暖差が激しい為、おいしい野菜、お米ができます。寒暖差が激しいほど野菜の糖度が高まると言われています。
◎上桂川の上流に田畑があり水と空気がきれいです。
◎空いている畑はいっぱいあるので、やる気さえあれば畑は借りられます。(ただ良い条件の畑を借りるのは難しいです。)
◎京北特産の里芋「子宝いも」がここだけで作れます。京北以外で作って売ることはできない事になっています。
(四方は北山杉の山に囲まれています)
次はデメリット!
✖草刈りが大変。畔が広くて斜面がいっぱい、しかも斜面が急でやたら長いです。
✖冬は日本海側の気候で雪深い為、露地での栽培は難しいです。雪でビニールハウスのパイプが曲がらないようにハウスの中に「スノーポール」という支えをして補強します。このポールも結構高かったです。
✖獣害による被害が深刻です。サル、いのしし、鹿など。一夜にして作物が全滅するという恐ろしい悲劇が起こる事もあります。獣害柵を付けるのには労力とお金がかかります。サルの対策は本当に困っています。
(長くて急な斜面、しかも下は水たまり。落ちたら大変です~)
また、できた作物を京都の市街地へ運ぶには時間とお金がかかります。でも、現在は京北に支店があるJAの出荷場所に持ち込んだり、八百屋さんの集荷便が来てくれるので特に不便さを感じたことはありません。
京北では、「知り合いの知り合いは、知り合い!」なので、田舎のネットワークはすごい!と感じることがあります。(良い意味でも悪い意味でも)私たちは、京北に移住してきたよその者ですが、地元の人にいじわるされるという事もなく、色々な面で本当に助けていただいています。
主人は、消防団と商工会に入っていて強力なネットワークを築いており、私より知り合いが多いと思います。子どもは、地域のおじいちゃん、おばあちゃんにかわいがっていただいて、親善大使としての役目を果たしてくれています。
京北で農業をすることはデメリットももちろんありますが、それでも京北が大好きで、やっぱりここでこれからも農業をして、おいしい野菜を作っていきたいです!
自分自身の農業への可能性はまだまだ広がります。
安井千恵(やすいちえ)
はまちえ農園
京都府 京都市
1987年富山県生まれ京都育ち。大学卒業後、紛争・貧困地域のこどもに医療援助を行うドイツの組織でインターンシップを経験。生きる糧となる「食物」と「職」を生み出すことができる「農業」に可能性を感じ、就農を決意。帰国後、京北町に移住し、農業研修後「はまちえ農園」を開始。中山間地域で持続可能な農業経営に挑む。