2016.06.20
草が生えたぞこりゃ大変
「ヒケを取らない、ヒエを取れ」
私が研修を卒業する時に研修先の合鴨家族・古野農場の古野さんに頂いた言葉です。
農作業は男性にも引けを取らないとの太鼓判を押して頂いたとともに、
田んぼを代表する雑草のヒエをしっかり取りなさいとの教えが表されています。
無農薬・有機農業は、病気、虫、草との戦いです。
気温が高くなり雨もよく降る季節になったので、
野菜達以上のスピードで草が成長しています。
私が畑用に借りた田んぼは3枚。
うち2枚は畝立ても終わり野菜も徐々に定植して畑らしくなっていますが、
1枚だけ手つかずになっていました…。
すると、ギシギシという雑草がニョキニョキと背を伸ばしているじゃないですか!
(背の高い草がギシギシ。冬場はホウレンソウみたいな葉っぱだけですが、
暖かくなってきたので花が咲いてきました)
このギシギシ、種でも増えるのですが、根っこだけでも増えるのです。
例えば、トラクターで根茎を粉砕してしまうと、
粉砕した茎の数の分だけ増えるのです!(恐ろしい!)
そんな恐ろしい事態を防ぐため事前に根っこから抜いています。
しかし、ギシギシは抜く時も根っこまできれいに抜けず、
5センチほど茎をのこしてプツンと切れるような仕組みも持っています。
「はがい〜!!(歯痒い)」と思う反面、植物の生き残りをかけた知恵に脱帽です。
(このように、抜こうとしても途中で切れてしまいます。)
草との戦いは長期戦です。でもこれからの夏が一番の山場…。
さて1年目でどこまで草に勝負を挑めるのか…
完敗だけはしないよう手を尽くしていきます!
八兒美恵子(やちごみえこ)
福岡県 飯塚市
1989年 福岡県生まれ。大学で環境生態学や土壌学を研究した経験と、食べることが好きなこともあり、食に関わる仕事の中でも、食の最前線で人の命を支える農業に魅力を感じ、農家になることを決意。2016年4月より新規就農。合鴨農法による米つくりと野菜の栽培の両立を掲げている。目指す農家像は、里山の整備や鶏小屋作り、パンを焼く石窯作りなどなど、暮らしにまつわる100通りの仕事が出来る人という意味での百姓。