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2016.11.06

私が守りたいもの

福岡では見事な秋晴れの日々が続くようになりました。

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地域ではお盆頃から始まった稲刈りも、終わりが見えてきました。
私の合鴨米の稲刈りについては次回書こうと思います。

さて、前回は害虫について書いたのですが、
今回は害虫以外の田んぼで出会う生き物を紹介します!

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(私の田んぼのまわりにいる生き物達。カニやヘビ、クモもたくさんいます、そして、なぞの足跡も…)

東京(渋谷区)に住んでいた間は、生き物といえば、ハエや蚊、コオロギなど、
数えるほどの種類しか見た記憶はありません。

今は、約1000㎡ほどの小さい田んぼの中だけで、
毎日何十匹という数の生き物に出会います。生き物密度が高い!というのでしょうか…?
歩いていればトノサマバッタがぶつかってきます。
「ガサッ!」と音がして振り向けばヘビが水路に逃げて行く姿を目にする日々。
私も見たことの無いような虫もたくさんいるので、その度に驚き生き物の多様性に感心します。

皆さんは「オケラ」を見た事がありますか?
歌の歌詞にも入っているので、名前は有名ですよね。
実は、最近見かけることが特に減った生き物なのです。
なんでも、雑食性で植物の根も食べるので害虫として農薬で駆除されているそうで、
また、住処となる湿地が減少していることで、世界的にも数が激減しているそうです。

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(いつも土の中にいますよ)

害虫たちも人間の立場からみて害なだけであって、生態系のなかの一員なのですよね。
私の田んぼのある福岡県飯塚市高倉は、このオケラもまだたくさん生息していて、
久々に見た時にはちょっとテンションが上がりました!

ヨトウなど害虫に畑の野菜をやられて泣きたくなる時もありますが、
農薬を使ってしまうと、生き物に会える楽しみが無くなってしまいます。
害虫と益虫、そしてその他たくさんの生き物達のバランスを
私の田んぼから守って行ってあげたいと思います。

2016年の挑戦者のみなさん

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八兒美恵子

八兒美恵子(やちごみえこ)
福岡県 飯塚市

1989年 福岡県生まれ。大学で環境生態学や土壌学を研究した経験と、食べることが好きなこともあり、食に関わる仕事の中でも、食の最前線で人の命を支える農業に魅力を感じ、農家になることを決意。2016年4月より新規就農。合鴨農法による米つくりと野菜の栽培の両立を掲げている。目指す農家像は、里山の整備や鶏小屋作り、パンを焼く石窯作りなどなど、暮らしにまつわる100通りの仕事が出来る人という意味での百姓。

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八兒美恵子 きらめき合鴨米日記

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