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2017.07.09

就農準備をされている皆様へ その2

皆様こんにちは!
畑も緑豊かになってきて、少しずつ収穫も始まりました。

順調?でもないですが、なんとかここまでやってきたと思った矢先、
大自然の洗礼を受けました。
トマトの雨除け栽培(路地のトマトを雨水に当てないようにする栽培方法)をするために
組み立てたパイプが、強風を受けて一瞬にして壊されてしまったのです。

これは一人だと骨の折れる作業なのですが、
なんとか日が落ちる前に8割程終わらせることができ、
残る2割の部分は明日やろうと、帰り支度を始めたその時でした。
夕暮れ空に暗雲が不気味に立ち込め、台風並みの強風が吹き荒れたのです。

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(ビニールはちぎれ、パイプは折れ曲がり、見るも無残な姿になりました。完成した30分後のことです。)

しかし、まだ畑にいたのが不幸中の幸い。
なんとか隣のナスに被害が及ばないよう、食い止めることはできました。
それでも、1日の苦労が水泡に帰することとなり、今まで数多くの失敗があったものの、
今回はやるせない気持ちでいっぱいになりました。

悪いことがあれば、その分良いことがきっとある!そう言い聞かせて、眠りについた翌々日、
研修時の仲間たちでBBQ@わたなべ農園を開催しました。
なんとも夏らしく、楽しい時間!良いことあったなぁと密かに思った小生でした。

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(農家同士のBBQは本当に贅沢です!獲れたての新鮮野菜と自慢の手料理がBBQを彩ります!あっ、肉も5kg程たいらげましたよ!)


さて、前回、就農の準備に際して優先すべきことの第3位と第2位についてお伝えしました。
今回は気になる第1位の発表です。

【優先度第1位】住宅
第1位は住宅です。しかし、住めれば何でも良いというわけではありません。
農業を営むうえで、作業場や倉庫、農機具を置く場所は不可欠です。
そういったもの全てが揃っている農家住宅を借りる、または購入することが望ましいです。

近年、農家の高齢化で農業を引退する方が多くなってはいますが、
引退しても家には住み続けるので依然として空き家は出にくい状況です。
農家さんのご子息がそのまま住むこともあります。

さらに、農家の空き家情報は地元の方のみぞ知るということがほとんどで、
不動産のお店やお役所では情報が得られにくいです。
そういったことを加味すると、空き家探しは最も難易度が高いともいえます。

農家住宅をゲットするには、住みたい地域の住民とつながりをもつことが大切です。
農作業のお手伝いなどを通じて、親しくなること、そして就農の意欲を示して
空き家を探していると明言することが、最善の方法だと私は思います。


あれ?「農地」がランクインしていない・・・と思われた方も多いでしょう。
しかし、実は農地探しは、さほどナーバスにならなくても良いのです。
その理由は、農家の高齢化で農地を縮小したいと思う方が増えているからです。

私は引越しの挨拶回りで近所を回った時に、なんと家の隣の農地を紹介していただけました。
自分でも、こんなに便利な場所に農地をすぐ借りられるとは思いもしませんでした。
周りは見ていないようでも、新参者が農作業する姿をきちんと見ています。
一生懸命にやっていれば、あちらから自然と「農地を借りてくれ」と声がかかるでしょう。

さらに、もし住宅が決まっていれば、農地探しの大きな武器になります。
なぜなら、この人はここに住むという信頼感が生まれるからです。もし農地を貸しても、
住宅が遠いところでは、本当に畑をちゃんとやれるのか、貸す側は心配になります。
そう言った意味でも、農地よりは住宅探しの方が優先順位は高いといえます。

今回、優先順位に挙げた機械や住宅などは、タイミングもありますので、どんなに頑張っても
良いものが見つからないこともあります。その場合は、とりあえず見つかるまで
近くの農家さんに機械を借りたり、アパートに住んだりするという手もあります。
一生懸命手を尽くせば、必ず情報は入ってきます!待てば海路の日和あり!

これはあくまでも私の就農体験をもとにしたものであり、全ての地域、皆様に当てはまることは
ないでしょうが、少しでも就農準備の参考にしていただけたらと思います。

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(我が家。良い所は作業場や倉庫が家の敷地内にあることです!また、敷地が広いため、育苗ハウスも建設していますし、将来的には鶏舎も建てたいと思っています。家の敷地が広いというだけで、可能性がぐんと広がります!)

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渡邉学嗣

渡邉学嗣(わたなべたかし)
千葉県 山武市

1991年東京都生まれ。東京農業大学で環境経済を学ぶ。大学の海外移住研究部の部活を通して農業と出会い、全国の農家を自ら訪ねて農業体験を重ねた。茨城の農業法人に2年勤務した後、千葉の林農園で研修。2017年に千葉で就農。

写真家の眼 渡邉学嗣

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