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2020.11.26

未来への準備!あんばい農園の土作りとその思想!

皆さんこんにちわ!日中の時間が短くなって、秋の夜長が際立ってきましたね。
こうなってくると、すでに私の気持ちは「今年も終わりだ!早く来年の種まきしたいな〜」となってきます!ということで、今回はあんばい農園の冬についてお話しします。

落花生専業のあんばい農園には、冬・春作がありません。したがって11月に入って落花生が畑から完全になり次第すぐに、電気柵や防草シートなどを片付け、次期作に向けての土作りを始めます。

今年落花生を栽培した團場には、雑草対策と根粒菌維持のために耐寒性のあるヘアリーベッチを播種します。根粒菌に関する過去の研究論文を読むと、マメ科(ヘアリーベッチ)→マメ科(大豆)のリレー栽培をして収量が減るかと思いきや、逆に良い結果になったとありました。
土壌中の細菌相において根粒菌リッチの状態が良い影響を与えたと考察されていました。今回は行程が逆ですし、大豆ではなく落花生なので、そのまま当てはまるかわかりませんが、自然栽培での落花生の連作が目標の1つなので、そのとっかかりとしては面白いかなと思います!また、ヘアリーベッチには春先の蜜源としても活躍してほしいと思っています。まだ未確定ですが、養蜂の一部に挑戦してみようと思います!

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(未来のあんばい農園を支える畑)

そして来年、落花生を播種する團場には、耐寒性のあるライムギを播種します。あんばい農園では極早生のライムギを播種することで、秋〜冬の間にムギと土をゆっくり育てます。3月中旬にモアで細断してしっかり乾燥させてからすき込み、5月の上旬の種まきには残渣のない良い土が出来上がっているという計画です。

ただ今後、上述したマメ科→マメ科が優位的な結果をもたらすことが確認できたら、緑肥との輪作体系を変えていきたいですね!

あんばい農園の落花生栽培において最大の難点は、やはり連作障害でしょう。1haしかない畑ですので、基本的に面積の半分しか使えないのは厳しいです。しかし、私は少なくとも落花生の連作障害は克服できると考えています。

連作障害の原因は、薬品や肥料の散布・必要となる栄養素の欠如・大量の堆肥投入などによって土壌中の細菌相や生物相が極端に偏ることだと私は思っています。つまり特定の作物が生育しづらい環境を人の行いによって生み出してしまっているということです。農業に限りませんが、人間は状況を改善するために自らの行動のみで解決しがちです。本来それは素晴らしいことですが、こと自然相手には、自然がもつ恒常性をアシストする程度に止めるのが大事だと思います。

そしてあんばい農園の土作りにおける思想が正しいかどうかは、5年以上先の未来が証明してくれます。今現在行なっている土作りは確かに来年のためのものですが、土も生き物で成長していきます。5年・10年、30年先の未来を想像して、この良い土が、環境が、生態系が残っていくことを願いながら今後も土作りに励みたいと思います。

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(2年目の土、まだまだこれからですね)

早いものでブログもあと2回となりました!最後まであんばい流で突っ走っていきますので、皆さまお付き合いくださいませ!
それでは、今日も「 ひとに、環境に、良いあんばい 」!


あんばい農園
Facebook : @anbainouen
Instagram : anbai_nouen

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梅津裕一

梅津裕一(うめづゆういち)
あんばい農園
千葉県 千葉市

1988年神奈川県生まれ。理科教員として地学・環境学を指導するも大病で教壇を離れる。療養中に農業と出会い、人を癒し、活力をもたらす自然の力に魅了され就農を決意。「ひとに、環境に、良いあんばい」をモットーに2019年4月「あんばい農園」を設立し、落花生の生産を開始。元教員の経歴を活かし、作物の成長過程や自然環境を畑で学べる「体験学習型農園」の確立も目指す。

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