2020.04.27
落花生の土作りに見る、己の成長!1年目の失敗から何を学んだ?
さて今回は、5月中旬の種まきに向けてラストスパートをかけている落花生の土作りについて、就農1年目と2年目を比べながら振り返ってみたいと思います。写真から明らかな違いが見て取れると思いますが、就農1年目は、未分解の有機物(植物の茎や根など)が多い状態での作付けでした。対して2年目は、分解がきっちり進んだ万全の状態に仕上げました。この違い、どう出ると思いますか?
(就農1年目)
(就農2年目)
無農薬落花生の栽培は、発芽と除草の成否にほぼ全てがかかっています。そして健全な発芽を妨げるものの多くは、虫による種の食害です。特にコガネムシの幼虫は種をモリモリ食べて、発芽不良に追い込みます。その幼虫はどこからやってくるのか…先ほどお話しした未分解の有機物が、実は彼らの餌になっているのです。
1年目は土地を借りてまもなく準備がしっかりできなかったのですが、この状態で作付けすることに危機感を感じていませんでした。しかし食害によって結果は散々で、発芽率は7割にも満たないほど。農家になっただけで浮かれていた自分の浅はかさを自覚するとともに、悔しさがこみ上げたことを今でも鮮明に思い出せます。
その思いを糧にすることで、2年目の今年は未分解の有機物を極力なくし、現時点での理想の土を作り出すことができました。一度の失敗が、落花生農家としての段階を1つ引き上げてくれたように思います。
「何事も経験」とよく耳にしますが、ただ経験するだけでなく、そこから何を感じ、考え、そしてどう行動するのかこそが重要です。失った3割は痛かったですが、「注意深く思考すること」の大切さを学べた出来事でした。
最後に、心に一握りの穏やかさを持って、皆でこの大変な日々を乗り越えていきましょう!
今日も「 ひとに、環境に、良いあんばい 」!
梅津裕一(うめづゆういち)
あんばい農園
千葉県 千葉市
1988年神奈川県生まれ。理科教員として地学・環境学を指導するも大病で教壇を離れる。療養中に農業と出会い、人を癒し、活力をもたらす自然の力に魅了され就農を決意。「ひとに、環境に、良いあんばい」をモットーに2019年4月「あんばい農園」を設立し、落花生の生産を開始。元教員の経歴を活かし、作物の成長過程や自然環境を畑で学べる「体験学習型農園」の確立も目指す。