SHARE THE LOVE

2017.08.18

農園「べじたぶるぱーく」が目指すところ

先日は、東京で開催されたオーガニックライフスタイルEXPOにSHARE THE LOVE for JAPANのブース内で出店させていただきました。初の東京での出店に、荷物の発送など慣れないことで手間取ってしまいましたが、想像以上に多くの方に立ち寄っていただけて、たくさんお話もできて、「よかった」の一言につきる2日間でした。
あらためて、挑戦者として選んでいただいて、チャレンジの機会をいただけたことに感謝の気持ちでいっぱいです。

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さて、私も夫も根暗なのに、私たちの農園、「べじたぶるぱーく」は最近、百貨店の催事出店や東京遠征、販路拡大など少し派手な動きが多くなってきて、お野菜の個人宅配のお客さんなどから「いったいどこを目指しているの?」と聞かれることも増えてきました。
決して高級路線を目指しているわけではないし、全国展開でバンバン売っていきたい、というわけでもありません。
さて、私たちはいったいどこを目指しているのか。

①都会と里山の架け橋
べじたぶるぱーくでは「野菜発見」をテーマにしています。農業をしているといろんな発見や感動があります。採れたての野菜の美味しさや、旬のもののありがたさ、夏の暑さや冬の寒さ、自然の厳しさややさしさ、そんないろんな発見や感動の積み重ねが私たちにいつも元気を与えてくれています。そういった発見や感動を共有することで、お野菜や加工品を食べてくれる人の元気につながって、野菜や里山との距離を縮めることができたらうれしいと思っています。

②自然の中で働きたい人の受け皿
求人をしてみて確信したことですが、世の中には自然の中で働きたいというニーズがあります。かつて自分がそうだったように、それを切に願っている人がいます。私はWWOOF制度を利用して、国内外の有機農家さんに温かく迎えてもらいました。思い込みによるプラシーボ(偽薬)効果だったのかなとも思いますが、大自然の中で体を動かし、採れたての野菜を使った美味しいごはんや手づくりの加工品をいただいて、いろんな人と交流して、私は元気になれたので、今度は私たちがそのような人たちの受け皿になりたいです。

③地域の加工場
私たちは「自ら育て加工する」をモットーとして、加工品に自家製の原料を使用するようにしていますが、私たちの住む里山、能勢にもたくさんの魅力的な資源があります。また、私たち以外にも、使い切れない農産物に悩む人たちもいます。野菜だけでなく栗やタケノコや椎茸、柚子など。これまでにもOEM製造(他のブランドの商品の委託製造をすること)でヤーコンのピクルスやキウイのジャム、栗のジャム、ぶどうジャム、桃ジャムなど作らせてもらってきました。これからは自家製の原料だけでなく、地域の加工場として、里山の自然の幸をもっとプロデュースしていきたいです。

④福祉との連携
これは夫の意思とは関係がなく、私が密かに考えていることです。自分が精神的に病んでいた頃、自然体験をとおして元気になることができたように、畑や加工場も福祉と連携して、助けを必要としている人たちのプラスになることができたらと考えています。ですが、今は生産も製造も販売も試行錯誤しているところで、経営的にも時間的にも余裕がなく、まずはそこをしっかりと整えてから、と考えています。

まだまだやりたいことがたくさんあります。そのためには何より地域の方々や身近な人たちの理解が必要になります。そのために、現状ではまず実績を積み重ねることが必要だと考えています。
道のりは長そうですが、一歩ずつ進んでいけたらと思います。

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(私たちの想いをこめた農園のパンフレット)

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植田絵美

植田絵美(うえだえみ)
大阪府 能勢町

1982年大阪府生まれ。10代で心身を崩した経験や、大学で環境問題について学ぶ中で有機農業に惹かれ、国内外でファームステイを経験。農業研修で訪れた大阪府能勢町に移住し、結婚・出産を経て4児の母に。2013年、夫が開いた「べじたぶるぱーく」に加わり、ハーブ栽培を始めた。

写真家の眼 植田絵美

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