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2017.12.14

米こうじづくり、はじまりました。

寒くなってきましたね。
ハーブの畑は、冬越しの準備中です。寒さに弱いハーブは鉢に掘りあげて、暖かいハウスに移しました。レモンバームやミント、カモミールなどは、来年植え付けする分を種まきして、ハウスで育苗中です。

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(鉢上げしたレモンバーベナ)

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(発芽したカモミール)

さて、寒ーい季節の加工場仕事と言えば、おこめジャムや味噌づくりに使用する「米こうじ」づくりです。
能勢町では、味良しツヤ良しのキヌヒカリ米の栽培が盛んで、夫も3反(約30a)ほどの田んぼでキヌヒカリ米を栽培しており、今年も無事稲刈りが終わりました。

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(稲刈りの様子)

そんなキヌヒカリ米を使って、米こうじをつくります。
お米を蒸してこうじ菌をつけ、発酵機に入れて加温すると、2日目には温度が上がり始め、甘いフルーティーな香りがしてきます。熱くなりすぎると菌が死んでしまうので、手を入れて冷まします。3日目、菌がまわったら米こうじのできあがりです。

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(蒸したお米)

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(フードウォーマーで発酵中。)

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(菌がびっしりまわった米こうじ)

米こうじをつくりはじめたのは、手づくりしていた自家用のお味噌に使う米こうじを手づくりできないかな、そう思ったのがきっかけでした。地元の人に聞いてみると、昔はどの家庭でも当たり前のようにこうじを仕込んでいたそうです。「囲炉裏の灰の中に入れてあっためて、良い香りが漂ってたなあ。」そんなお話を聞いて、私もやってみようと思い立ち、『現代農業』(農山漁村文化協会)に掲載されていた、米袋に入れて発酵させる「袋こうじ」という方法でつくりはじめました。当時は電気毛布で温めていましたが、ちゃんと発酵して良い香りが家中に漂い、とても感動しました。

できあがった米こうじを使用して、塩糀や甘糀をつくり販売していましたが、何かもっと他とは違ったものがつくれないかな、美味しく手軽に発酵食品を暮らしに取り入れられるような…。そう考えてたどりついたのが、甘糀を煮詰めてつくる、パンに塗って楽しめる「おこめジャム」でした。めずらしさもあって、なかなかの人気商品です。

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(じっくり煮詰めたおこめジャム)

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(味つけの違いで3種類あるおこめジャム)

味噌に塩こうじに甘こうじ、それからみりんなど、日本人の暮らしに古くから取り入れられてきた、発酵食品に欠かすことができない米こうじ。美味しくできるかは菌の働きにかかっているので、ゆっくりじっくり時間のかかる、ごまかしのきかない神経を使う仕事ですが、カラダにしみ込むほっとする味づくりのために、ずっと続けていきたい冬の仕事です。

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植田絵美

植田絵美(うえだえみ)
大阪府 能勢町

1982年大阪府生まれ。10代で心身を崩した経験や、大学で環境問題について学ぶ中で有機農業に惹かれ、国内外でファームステイを経験。農業研修で訪れた大阪府能勢町に移住し、結婚・出産を経て4児の母に。2013年、夫が開いた「べじたぶるぱーく」に加わり、ハーブ栽培を始めた。

写真家の眼 植田絵美

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