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2017.07.28

田尻農産のこと

先日、地元の農事組合法人田尻農産直売所「よっといで田尻」で、設立10周年のイベントが開催されました。私もジャムやピクルス、お漬物を出品させていただきました。

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(地元の人々の憩いの場でもある田尻農産)

イベント出店の様子

(10周年イベントにて、べじたぶるぱーくのブース)

田尻農産では、能勢町田尻地区で栽培されたお野菜をはじめ、お米やお味噌などの加工品、能勢の菊炭、花などを販売しています。田尻の元気なおじいちゃん、おばあちゃん、おっちゃん、おばちゃんたちが集う場所です。
私と夫は8年前に能勢の田尻地区に移住してきました。そして、夫がたまたま副業として始めた炭焼きのアルバイトでお世話をしてくれた、「能勢さとやま里山創造館」の代表小谷さんが田尻農産を紹介して下さり、農地を貸してもらうことになりました。
能勢町は高齢化がすすむ過疎地です。田尻農産では、直売所の運営のみならず、遊休地の集約と有効活用、田圃の農作業請負、農業支援、農業を志す人材育成等を行っており、それらを通して地域の活性化を目指して活動しています。
私たちも、はじめに何か所か農地を案内してもらい、そのうちの一か所がとても気に入り、お借りすることにしました。山の高台にあり、見晴らしがよく、山のすぐ傍なので風で山の木々がざわざわ揺れ、とても気持ちのいい1.5反(約1500㎡)ほどの土地です。ただ、何年もずっと耕作放棄されていたため、大きな草が生い茂り、イノシシが泥浴をする沼田場(ヌタバ)になっていました。

機械も何も持たずにお借りしたので、どうすることもできない私を、地元のおっちゃん達が手伝ってくれ、草を刈り、大きな草はユンボで掘り返し、溝を掘って水はけを良くして、獣害対策の電柵をたてて、恐ろしく大きな石ころがごろごろでてくるところもトラクターできれいに鋤いて…。それらを無償でやってくれて、やっと畑として使うことができるようになりました。

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(もともとは耕作放棄地だった、高台の畑。)

そして、空いている農地を次々に紹介してもらい、今では合わせて1町(約10,000㎡)ほどお借りしています。
直売所の店番のアルバイトをさせてもらった際は、田んぼや畑の話やお漬物の話など、地元の方々との会話が楽しく、「生活改善グループ」という加工グループにも所属させてもらい、農産加工についてもいろいろと教わりました。夫は田圃の作業請負のアルバイトもさせてもらいながら、稲作についても教わっています。
私たちの能勢暮らしに欠かすことのできない存在の田尻農産。そんな田尻農産の10周年は私にとっても感慨深くて、これからもたくさん農業のことや農産加工のことを教わりたいし、お役にも立てたらうれしいなあと思います。

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植田絵美

植田絵美(うえだえみ)
大阪府 能勢町

1982年大阪府生まれ。10代で心身を崩した経験や、大学で環境問題について学ぶ中で有機農業に惹かれ、国内外でファームステイを経験。農業研修で訪れた大阪府能勢町に移住し、結婚・出産を経て4児の母に。2013年、夫が開いた「べじたぶるぱーく」に加わり、ハーブ栽培を始めた。

写真家の眼 植田絵美

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