2017.05.10
やっぱり加工はおもしろい
春です!野菜が少ないです!
年中スーパーには野菜が並んでいますが、農業をしながら暮らしていると、野菜がない時期があることを思い知らされます。旬のものを旬の時期にいただくことで、美味しいのはもちろんのこと、ありがたみもあって、自然に生かされているなあと感じます。
毎年この時期の野菜は端境期。夫と運営する農園「べじたぶるぱーく」の「わくわく野菜定期便」も2~4月くらいはお休みさせていただいています。ハウスを増やして、栽培できる野菜を増やすことで、この端境期をどんどん短くしていきたいと考えています。
さて、野菜が少ないこの時期にうれしいのが山の幸です。
よもぎやふきのとう、クレソン、セリなど…。少しくせのある山菜ですが、春を感じる味です。
そして、今年はタケノコ!新規就農でよそから移住してきた私たちは自分たちの山を持っていませんが、毎年地元の方からのおすそわけでタケノコをいただきます。今年は「採るひまがないから採っていいよ」と言っていただき、タケノコ掘りをさせていただきました。里山暮らしのうれしい特典です。
マルシェでいくらか販売もしましたが、たけのこは数日経つとすぐえぐみが強くなってしまうので、加工することにしました。
まずは水煮。
(真空パックしたタケノコ水煮)
そして、味噌漬け。奈良漬っぽい風味で美味しくできました。
能勢の道の駅で販売中です。
(ご飯によく合うタケノコの味噌漬け)
次はピクルスにも使ってみようと思います。
農業がしたくて能勢に移住して、そこで知り合った夫から「家族経営の農業はしたくない」と
言われ、当時はとてもショックを受けていました。パートに出ながら、悶々としながら、
夫が持ち帰る野菜で加工品を細々とつくる日々。それがだんだん仕事になってきて、
昨年春先に自宅の離れの加工場を増設して、瓶詰加工と味噌製造の許可を取得しました。
思い描いていた田舎暮らしとは違いますが、野菜栽培担当の夫と加工品とハーブ担当の私で、分業体制が整ってきて、ほどよい距離感が保てるのでこれはこれでよかったかなと思っています。そして何より農産加工は奥が深くて、興味がつきません。可能性は無限大。
手を加えることで美味しく、そして保存性がぐんと高くなります。
お野菜が少ない時期に加工品で収益を出せるのもうれしい点です。
良い職にめぐりあえたなあと思う今日このごろです。
植田絵美(うえだえみ)
大阪府 能勢町
1982年大阪府生まれ。10代で心身を崩した経験や、大学で環境問題について学ぶ中で有機農業に惹かれ、国内外でファームステイを経験。農業研修で訪れた大阪府能勢町に移住し、結婚・出産を経て4児の母に。2013年、夫が開いた「べじたぶるぱーく」に加わり、ハーブ栽培を始めた。