2017.04.11
就農前夜(脱サラ就農)
はじめまして、「eminini organic farm」の東樋口正邦です。
僕が就農への道を実際に歩みだしたのは30歳の冬でした。お正月明け、上司へ「お話ししたいことがあります。」とメールを書き始め、ドキドキしながら震える指で送信ボタンを押したのが始まりでした。
夢を語る僕に、皆優しかった。もちろんそこまでに3年の準備期間がありました。オーガニック家庭菜園を始め、妻と生まれたばかりの娘の喜ぶ顔見たさに、土と野菜に没頭しました。農地のこと、農法のこと、研修させて頂ける農家さんのことなど無我夢中で調べ尽くし、足も運びました。農に恋した濃い3年間でした。
そんな中、自分の思い描く理想に限りなく近い農業を実践していて、大きな愛に満ちたカズホさんに出逢いました。
カズホさん(山下一穂さん http://sharethelove.jp/pioneers/kazuho-yamashita_3/)は高知県で有機農業を実践する傍ら、当時、有機のがっこう「土佐自然塾」の塾長もされていて、後進の育成に心血を注ぐ僕の大好きなお師匠さまです。
カズホさんの山下農園で、あれほど夢想していた研修生活がスタート。慌ただしく過ぎていくなかで、農を真ん中に据える生活の厳しさと、晴れ上がる心の清々しさに、農への思いは愛に変わっていきました。土のこと、野菜のこと、研究者ではなく農家になるために学びました。この土で、この時期に、こんな状態で育っているこの野菜は、これから大きくなる、小さくなる、甘くなる、柔らかくなる。そんなことがおぼろげに分かって来た研修3年目の冬の終わり、独立する決心をカズホさんに伝えました。良く晴れた日の昼間、昨日のことのようです。
このブログではeminini organic farmの農業に対する考え方や、その時々の畑の紹介をしていこうと考えています。宜しくお願いいたします。
東樋口正邦(とうひぐちまさくに)
奈良県 平群町
1981年奈良県生まれ。京都大学理学部で宇宙物理学を学ぶ。高知の山下農園で3年間研修し農場長を務めた後、2015年に奈良の実家に帰って就農。妻と自分の愛称を冠した「eminini organic farm」では「畑から虹を」をモットーとしている。