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2017.12.05

サツマイモ掘ったどー

やっとこさ、やっとこさ!サツマイモが作れた!就農初年度から3回目の秋。

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「栽培にビニールマルチを使わずにやってみよう」と、軽い気持ちで始めた初年度は、日照りで活着が悪かったことに始まり、抑草対策のマルチ麦(夏場に枯れて有機物マルチに早変わりする代物)もそれを上回る猫じゃらしに競り負け…、刈り払いに次ぐ刈り払いでなんとかたどり着いた収穫も、土中の黄金虫の幼虫に芋をボコボコにされてしまった。

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(芋の株の周りをマルチ麦で覆うことで、抑草対策となる。)

2年目は、マルチ麦のタイミングを定植前にしたことで抑草はうまくいったが、やはり繊維質緑肥(穂が出てからの粉砕した緑肥)の鋤込みと土の露出が黄金虫を呼んでしまい、芋はボコボコ…。おまけに早い霜の到来に芋掘りが間に合わず、半分は収穫できずに畑に眠らせてしまった。

そして迎えた3年目の今年、芋掘り機を準備し万全の体制で望んだ!黄金虫の幼虫だけでなく、線虫被害も予測して線虫対策の緑肥(クロタラリア)の完熟鋤込み、定植前の2週間はハウス用ビニールを掛け、保温することで未分解の有機物を減らし、黄金虫の産卵する気を削いだ。マルチ麦は草の勢いの激しい畑では、草刈りした方がいいと判断。
また品種に関しては、今年は栽培地適用性を見るため、去年まで栽培していた「紅はるか」に加え、「鳴門金時」、「シルクスイート」も取り入れた。

結果、畑の外観は草山になってしまったが、そこは芋づるが草の根もとや草の上に這い回り、太陽のエネルギーをかき集めて元気に育ってくれた。草に覆われた場合、およそ芋の太りは遅く、11月に入って夏草が倒れてから、日光独り占め体制に入り、初霜が降りるまでに芋が一気に太る。

そんなわけで、芋掘りは天候とのにらめっこ。天気図なんかを見て、霜を予測しちょっと前から掘り出し、今年はドンピシャ霜降り3日後に掘り終えた。そして、何よりの朗報が、「鳴門金時」が粘土質のうちの畑にはバッチリだったこと。「紅はるか」の2倍以上の収量で、腐りも少なく、焼き芋にしたときのホクホク感も好みだ。数メートルの栽培で1コンテナ穫れた今年のサツマイモは、来年への意欲になり、もっと作っていこうと思える結果だった。

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焼き芋を片手に来年の計画を練る秋の夜長。

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東樋口正邦

東樋口正邦(とうひぐちまさくに)
奈良県 平群町

1981年奈良県生まれ。京都大学理学部で宇宙物理学を学ぶ。高知の山下農園で3年間研修し農場長を務めた後、2015年に奈良の実家に帰って就農。妻と自分の愛称を冠した「eminini organic farm」では「畑から虹を」をモットーとしている。

写真家の眼 東樋口正邦

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