2017.08.22
ゴーヤと話したこと
先日行われたオーガニックライフスタイルEXPO、
ご来場下さったお客様、並びに運営事務局、SHARE THE LOVE for JAPANの皆様、
そしてブログ等で応援頂いている皆様に感謝の気持ちが溢れた2日間だった。
お渡しするお野菜一つ一つに「笑顔が生まれますように」と思いを込めた。
今回は僕の畑での、そんな「思いを込める」に近いシーンがあったので、
少し奇天烈ではあるが紹介しようと思う。
先日、ゴーヤの下の方の葉っぱがそろそろ黄色くなってきたので、世代交代の意味で、若い葉っぱに光が当たるよう古い葉っぱの根元にハサミを入れていると、ふと心に浮かぶことがあった。
僕「幼い時期からよく頑張ってみんなを引っ張ってくれたね。ありがとう」
ゴーヤ「どうして切ってしまうんだい?」
僕「わかるよ、黄色くなっても生きている葉っぱも守りながら過ごしたいんだね。でもこれは全体として、若い葉っぱを生かすため、畑で多くの果実を実らせ、多くの方に食べてもらうために必要なんだ。」
ゴーヤ「そうか、わかったよ。確かに風通しも良くなっていい感じがする。それに食べてもらうこともわたしの役割だとおもっているよ。」
僕「ほんとうにありがとう。君の実りがみんなを笑顔にするんだ。それに、君の種だってきっちり穫って、また次の世代の面倒も見るからね。」
ゴーヤ「そうか、ありがたい。あとは君の好きにしてくれ。この状況のなかで、あるがままにすごしているよ。」
と。ゴーヤと信頼関係が出来た気がした。
ふとそう思っただけなのだが、その翌日、ゴーヤの誘引作業をしていると、あら不思議、飛び出した蔓をネットに固定しようとすると、まるで動物のように一瞬で蔓がネットに絡むようになった。
(生き生きと育ち、いい気を放つゴーヤ)
ぼくは野菜達を尊重している。何かするときは必ず語りかける。そうすることで信頼関係が生まれた野菜達に思いを込めている。とりわけ、マルシェなどの対面販売では僕からお客様へも「食卓で"美味しい!"の笑顔が弾けますように」という思いが伝わっていると感じる。ありがたい。
(思いを込めて販売したオーガニックライフスタイルEXPO)
東樋口正邦(とうひぐちまさくに)
奈良県 平群町
1981年奈良県生まれ。京都大学理学部で宇宙物理学を学ぶ。高知の山下農園で3年間研修し農場長を務めた後、2015年に奈良の実家に帰って就農。妻と自分の愛称を冠した「eminini organic farm」では「畑から虹を」をモットーとしている。