SHARE THE LOVE

2017.04.27

正しいストイック農業のすすめ

先日行われたSHARE THE LOVE for JAPANの挑戦者キックオフミーティングで聞いた、
「農業ってこんなに辛いのか、でも仲間がいれば勇気付けられる」という言葉にハッとした。
儲けは少なく、日々の長時間の肉体労働を考えると労働環境も悪いのかもしれない。
普通の事業なら、そんな状況ではやはり辛そうだと思われるのは仕方ないことだし、
後に続こうとする者も出てこないだろう。
しかし、有機農業を目指す人は後を断たないし、僕も何故か辛いと感じたことはない。

畑は常に自然の掟に従って正直だ。
成功にも失敗にも、必ずその理由があると感じながら、少しずつ前に進もうとする日々。
瞬間瞬間の判断に、常にシビアな結果を伴う心地よい緊張の連続。
その一方で、常に自然を感じ、優しく包まれている感覚もある。
こんなに幸せな仕事は無いと、日々感謝だ。

そうやって畑に立っていると、寒かろうが暑かろうが、どんどん自然に順化していき、
朝夕から四季に至るまで、自然を感じること自体が気持ちよくなってくる。
水浴びしたような汗や、かじかんでゆっくりしか動かせない指の痛みさえ、
自然からのメッセージとなる。悟り?いやストイック?はたまた、ただのドMか!?
そんな気持ちよい畑で、目が覚めるような美しい野菜をつまみ食いしながら
仕事ができるんだから、辛さを感じる暇はない!旬を生き、四季を楽しむ。畑は天国だ。

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(薄い葉色のラディッシュ。苦味なくどんどんつまんでしまう畑のサラダ。)

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(清々しい田んぼにて)

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東樋口正邦

東樋口正邦(とうひぐちまさくに)
奈良県 平群町

1981年奈良県生まれ。京都大学理学部で宇宙物理学を学ぶ。高知の山下農園で3年間研修し農場長を務めた後、2015年に奈良の実家に帰って就農。妻と自分の愛称を冠した「eminini organic farm」では「畑から虹を」をモットーとしている。

写真家の眼 東樋口正邦

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