2019.04.15
人に喜ばれる仕事を
はじめまして。田中真由美と申します。滋賀県の最北端に位置する、長浜市余呉町という中山間地域で農業をしています。
百姓をしていた祖父の姿に憧れて農業の道を志し、2017年から祖父に習い、仕事をしながら兼業農家として農業に携わり始めました。25歳になったこの2019年はまた一つの節目の年で、青年就農給付金の申請を行い、専業農家として農業を営み始めます。
現在は水稲メインで水田1.2haを耕作しています。今後は水稲の面積を増やしつつも米以外の作物の栽培も行っていく予定です。大規模な面積拡大は今のところ視野にはいれておらず、全体では水稲3ha、水田野菜・露地野菜合わせて0.6ha程で生計を立てていけるのを目標にして取り組んでいます。
「人に喜ばれる米作りをせんとあかん」という台詞は、多くを話さない祖父から何度も聞いた言葉で、私もこの言葉を大切にしながら、農業に取り組んでいます。
農業技術を学ぶことも大切なのですが、農業を通して、こうした祖父の考えや経験を知り、共に過ごすことの方が、今の私にとっては農業技術以上に価値のある、貴重な時間だと思っています。
祖父母に限らず、農業を始めて近所の年長者の方々と会話する機会が増えたことで、彼らの持っている知恵や経験、鋭い観察眼を知りました。「この人たちはなんてすごいものをもっているんだろう」と、とても驚き、興味を持つようになりました。
時間は限られており、祖父母を含め、今が、彼らの持っているものを見せてもらえる最後のチャンスなのだろうと思います。
今回このブログでは、栽培と共に、そういった祖父母からの世代交代の中で教わることや、地域に根付く知恵や造詣に触れることを一つのテーマとして書かせてもらう予定です。
(田周りをする御年91歳の祖父のたくましい背中。かっこいい)
どうぞ楽しく見守っていただけたら嬉しいです。一年間よろしくお願いします。
田中真由美(たなかまゆみ)
くさおか農園
滋賀県 長浜市
1994年滋賀県生まれ。40年前から、化学肥料不使用で「人に喜ばれる米作り」を行なっている祖父の姿に憧れ、2017年に兼業農家として就農。土地を守りながら地域の中に「当たり前に存在し続ける農家」を目指し、2019年からは専業農家として、祖父に米作りを学びながら、豊かな水を活用した作物栽培にも挑戦する。