2016.06.17
初めての田舎暮らし
こんにちは。滋賀県高島市 みのり農園 高橋です。
私は滋賀県大津市の出身でして、実家から高島市までは車で一時間。
生活がそれほど変わるとは予想していませんでした。
そのため、畑を探すときも「土」だけに意識が行き過ぎていたように思います。
(詳細は前々回のブログ にて)
引っ越して、一番大きな変化は「飲みにいけないこと」でした。
今まで、家の近くに飲食店がなくても電車で移動すればよかったのですが、
まず駅まで車でないといけない、もちろん徒歩圏内に飲食店がない、
という状況に陥りました。
趣味が「飲むこと」「食べること」だった私には、
正直ここが一番つらいことでした。
そして、驚いたことに就農して1年もたたないうちに、
初めて会う同じ市内の人から「みのり農園さんね」
「東京から移住してきて農業している夫婦の方ね」と、
何回も聞くことになります。人口5万人の滋賀県高島市ですが、
移住者(という言葉も引っ越して初めて聞きました)の情報は、
色々な人の口から伝わり、知れ渡るのです。
これはいいことか悪いことか、というより、田舎とはそういうものだ、
ということを知らなかったため驚いたことになります。
田舎のいいことですが、もちろん、空気や水、お米や野菜がおいしいこと。
そして、みそや醤油、滋賀県の郷土料理である鮒ずしづくりといった
伝統文化を家庭で受け継いでいる方々がいることです。
高島市はびわ湖に流れ込む山からの水が滋賀県で一番多く、
河川が非常に澄んでいて、湧き水も豊富です。
水道水さえも甘みがあっておいしいです。
外に食べに行けない分、家でおいしいものを作りたい、と、
初めての味噌づくりや醤油づくり、たくあんづくりにチャレンジしました。
猟師さんからいただいた鹿やイノシシで生ハムも作りました。
農業が忙しい3〜12月は何もできませんが、手の空く冬場の時期が、
保存食づくりに最適の時期なのです。昔の方の知恵には驚かされます。
写真は、さばのへしこづくりの様子。
福井県の郷土料理として有名ですが、福井と隣接した高島市にも
へしこづくりが伝わっています。
高橋佳奈(たかはしかな)
滋賀県 高島市
1979年 滋賀県生まれ。東京でベンチャーキャピタル系の企業に勤務。その企業が立ち上げた農業法人で3年間農業に従事した後、料理人だった夫とともに就農を決意。郷里に近い滋賀県内にて2013年に就農、『みのり農園』をスタート。現在は、収穫したばかりの野菜を提供するレストランのオープンに向けても奮闘中。『農業女子プロジェクト』にも参加し、若手農家との連携も図っている。