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2016.05.14

農地探し

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私は滋賀県大津市の出身で、農業で独立する、と考えたときに一番の候補地として故郷である滋賀県内がいいだろうと思いました。滋賀県は京都や大阪といった都市部にも行きやすく、琵琶湖があり水に不自由しないという利点があります。
ただ、出身地とはいえ、親戚に農家がいるわけではなく、土地探しは一からとなりました。

はじめに思いついたのは、各市の農業担当部署、農業委員会、滋賀県の農業支援部署でした。車で直接訪問し、「自分はこういうもので、こんな農地を探している」ということをA4用紙に名刺代わりに書き、渡しながら説明しました。口頭だけでは、その後連絡をもらえないだろうと思い紙を渡したところ、後日何軒か農地の紹介をいただけることになりました。

滋賀県内を回り、田んぼは多いものの「畑地」はほとんど見つかりませんでした。出身地とはいえ、すんでいた頃は農業に興味がなかったため知らなかったのですが、滋賀県の農業の大半は稲作でした。水が豊富にある恵まれた土地なので、少し考えればわかることなのですが、恥ずかしいことに知らなかったのです。

上記でご紹介いただいた農地も、その大半が田んぼの跡地でした。以前務めていた千葉の農業生産法人で、重粘土の土地で苦労したことから、独立するときは土で選びたい、と思っていた私は、一生に関わることなので、あせらずいい土地を探そうと決意していました。

滋賀県だけでなく京都府にも足を運びつつ、なかなか土地がみつからず、あきらめかけたときに今のみのり農園の土地と出会うことができました。

親戚の親戚の親戚、という、直接の血のつながりがない農家の方にめぐり合い、畑を借りることができました。関西圏では3%しかない、という黒ボク土の、畑向きの土地で、広さも5反がまとまっていて、農業用水もひかれているという、まさに理想的な土地です。土地を借りてから知ったのですが、地主の中村美三男さんは、高島市で有名な野菜農家さんで、今も野菜の栽培方法など、親切にアドバイスしてくださっています。

2016年の挑戦者のみなさん

challenger

高橋佳奈

高橋佳奈(たかはしかな)
滋賀県 高島市

1979年 滋賀県生まれ。東京でベンチャーキャピタル系の企業に勤務。その企業が立ち上げた農業法人で3年間農業に従事した後、料理人だった夫とともに就農を決意。郷里に近い滋賀県内にて2013年に就農、『みのり農園』をスタート。現在は、収穫したばかりの野菜を提供するレストランのオープンに向けても奮闘中。『農業女子プロジェクト』にも参加し、若手農家との連携も図っている。

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