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2016.05.28

お金のこと

こんにちは。滋賀県高島市 みのり農園 高橋です。
今回も、前回と同じく就農前の準備段階の話です。

なんにでも先立つものが必要です。畑も決まり、面積も確定したので必要な資材や機械が想定できるようになり、具体的な資金計画を考えました。

よく、「新規就農する際、お金はどのくらいかかりますか?」と聞かれますが、実際のところ、「どの規模でどんな農業をやるつもりか」によって、かかる資金は全く違います。
私の場合は、5反の面積で少量多品目、化学合成農薬・化学合成肥料を使わない野菜栽培。金額が大きいものでは、機械(トラクター、一輪管理機)、軽トラック、育苗用ビニールハウスが必要です。難しいのが細かい資材。支柱、定植スコップ、トンネル資材、マルチ、大工道具一式、梱包資材など、一からすべてそろえるため、一つ一つの金額は大きくないものの積み重なると結構な金額になります。また、農業に直接関係ないものの、生活費が必要です。家賃、水道光熱費。そして、住民税・年金・健康保険料!ここは前年の収入で決まるため、前年は一般法人に勤めていたため一定の収入があり、その分、重くのしかかってきます。就農1年目は収入がどのくらいになるかわからないのに支出ははっきり決まっている恐怖。実際、就農1年目はかなり負担が辛かったです。

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建設中の育苗ハウス

独立して、毎月給与が振り込まれる今までの状況が本当に恵まれていたな、と感じました。銀行口座からどんどん残高が減っていく1年目。とても怖く感じていたことを思い出します。農業は種をまいて、収穫して販売して入金されて、初めて収入になります。数か月間無収入のまま、でも資材は先に必要になる。頭ではわかっていても実際に通帳を眺めると言いようのない恐怖でした。

今はみのり農園も4年目に入り、資金的に余裕もでてきましたが、1年目のことを思い出しながら気を引き締めていきたいと思っています。

2016年の挑戦者のみなさん

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高橋佳奈

高橋佳奈(たかはしかな)
滋賀県 高島市

1979年 滋賀県生まれ。東京でベンチャーキャピタル系の企業に勤務。その企業が立ち上げた農業法人で3年間農業に従事した後、料理人だった夫とともに就農を決意。郷里に近い滋賀県内にて2013年に就農、『みのり農園』をスタート。現在は、収穫したばかりの野菜を提供するレストランのオープンに向けても奮闘中。『農業女子プロジェクト』にも参加し、若手農家との連携も図っている。

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