2016.05.29
手摘み、手揉み、天日干しの新茶です。
「お茶ぐらいは自分で作らんと。」
山で暮らし始めた頃、隣のおばあちゃんに言われた言葉を今でも覚えています。
「そうか、お茶は自分で作るものなのか。」
お茶の葉はスーパーで買ってくるものだった自分はこの価値観に衝撃を受けました。
「お茶ぐらいは」の「ぐらい」には少々悲観的な意味が込められています。
おばあちゃんが若かったころ、各家には味噌蔵があり、自家製の醤油、味噌、豆腐、漬け物、蒟蒻などがストックされていました。米、野菜、梅、柿、ミカンは家の周りに植えられ、農作業で使うカゴや敷物も藁を編んで作っていました。
生活するのにいるものはほとんどが自家製だったのです。
それが今では買うものが多くなりました。
それでも、最低、これだけは、という意味の「ぐらい」なんです。
その話を聞いてから毎年お茶作りを手伝い、自家製のお茶を飲んでいます。
今年も先日茶摘みをしました。
お茶の葉を手摘みor機械で刈り取り、釜で煎ります。
その後一度機械で揉んでから、もう一度手で揉んで2日間ほど天日干しをしたら完成です。
山のお茶は味がしっかりとしていて、飲みだすと何杯も飲んでしまいます。
遠い昔から受け継がれてきたお茶という文化を、美味しく楽しくいただきます!
田畑勇太(たばたゆうた)
高知県 大豊町
1989年 愛知県生まれ。大学入学をきっかけに住むことになった高知県の自然に魅せられる。その後、現在の住まいとなる土地と出会い、「ここに住むためにはどんな仕事が最適か」を模索する中で有機農業と出会う。研修を経て、2015年就農。標高550mの冷涼な気候を生かした、夏秋に出荷したミニトマトが、地元の日曜市で評判となる。今後もミニトマトをメインに、地元のゆず果汁なども取り入れた無農薬栽培をしようと考えている。