2018.04.12
「豊かさ」を求め「夢の大地」へ
はじめまして、「Organic farm Terra」の杉浦秀幸です。
今年の4月に山梨県北杜市で就農しました。
以前は、約20年ほど「料理人」をしていました。
「なぜ農家に?もったいない…」とよく言われます。当たり前ですよね!20年もやっていれば…。
料理の仕事をしながらも、「豊かさって何?」と考える時期があり、結婚と子供が出来た事が転機となりました。好きな仕事はしていましたが、所詮サラリーマン。会社の方針などがあり、妥協や守りの様な姿勢になっていました。「生活を維持していく為の仕事、つまんねぇな…」そう思うようになっていたのです(妻には申し訳ないですが)。
そんな心中、山形県のレストラン、Al che-cciano(アル・ケッチァーノ)で働いた経験を思い返したのです。そこは僕にとって「夢のような場所」でした。周り一面畑に囲まれた店には、四季折々の風が吹き、収穫したばかりの野菜を農家さんがコンテナで、どん!と届けてくれ、近くの牧場から卵・お肉・ミルクが届く…。そして、そこで頂く食材は心地よく格別でした。
幼少期に過ごした南房総で、野山を駆け回っていた頃、山や海で木の実、ウニや貝などを採り、もぎたてのモロコシを食べた経験と重なり、実感しました。「自然を肌で感じ・寄り添って暮らしたい」と…。そして農業の世界へ進むことを決めました。
縁も所縁もない地で2年の研修を経て、この世界は甘く無いことは痛感しています。まずは生産者として自立し「美味い野菜」を作り、コミュニティを築く事を当面の目標にしています。自然と共にものを作り、営んでいきます。
農産物に関しては、まだまだ未熟ですが、「固定種」「在来野菜」など個性を持った野菜も積極的に作り、自家採種・育種も行いたいと考えています。
「Terra(テラ)の野菜が欲しい」と言われるよう、日々精進します。
(Terraの風景、「大豆畑」)
杉浦秀幸(すぎうらひでゆき)
山梨県 北杜市
1976年千葉県生まれ。日本各地でフランス・イタリア料理を学び料理人を務める。山形庄内地方のレストラン「アル・ケッチァーノ」で野菜のおいしさに衝撃を受け農業への意識が変わる。農業大学校で学んだ後、山梨の有機農家で研修、2018年春「オーガニックファーム テラ」を開園。