SHARE THE LOVE

2015.11.12

地域は違えど、通じる農への想い

朝夕のひんやりした空気で、少しずつ冬の訪れを感じるこの季節。
これから美味しくなる冬の果物といえば、「ミカン」が思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか。

今回、挑戦者の佐藤さんご一家と、足柄みなもと農園に通っている仲間の皆さんとご一緒して、佐藤さんの友人のミカン農家さんのもとへ農作業の手伝いに伺いました。

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まるで物語の世界へ迷い込んだような山の中を歩いて行くと、
静岡県沼津の西浦にあるOrange Park Farmさんのミカン畑にたどり着きます。

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Orange Park Farmさんでは、無農薬で、ミカンを中心とした数種類の柑橘を栽培しています。
代表の宗篤(むねあつし)さんは、佐藤さんと同じく元々は農家ではなく、飲食店を経営されていたましたが、この地に5年前に移住しミカン畑を受け継いだ若手農家さんです。

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今回手伝うのはミカンの摘果(てきか)作業。

摘果とは、生育を調整して品質を高めるために果実を間引(まび)く作業の事。
食べても美味しい果実を成熟前にとってしまうなんて、もったいないようですが、
その分残した果実には、根からの栄養と日光がたっぷり行き渡り、
果実同士がぶつかり傷つくのを防ぐため、見た目と味が良く仕上がります。
そして、実のなりすぎでミカンの木が疲れ、来年の収穫が減ってしまうことを防ぐため、
木の健康を守る事にとっても、摘果は大切な作業なのです。

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移住後に新規就農したという共通点を持つ、佐藤さんと宗さん。
約1年振りの再会に、近況報告からお互いの農業についてなど、様々な話題がのぼりました。

この西浦は、ミカン栽培で有名な地域。古くから農業を営む農家が多く、
慣行農法が主流の中で、無農薬での栽培はまだまだ理解を得るのが難しいのだそう。
ただ、自分の信じる農業をしていくという宗さんの意志は固く、栽培方法は薬剤に頼らない栽培を念頭においているということでした。

一方、佐藤さんが農業を営む南足柄は、新規就農をする若い人も増えてきたことで、古くからの農業の形が変わりつつある過渡期を迎えていると感じるそうです。
地域が違えばその土地特有の気質があり、まして農業はその土地に強く根ざすもの。
新たな土地で、自分の志す農業を目指し暮らしていくことは、想像以上に難しいのかもしれません。
ただ、「最初は「大丈夫か?」と心配されていたけれど、きちんと畑を続けていれば、周囲の人もだんだんと認めてくれた。」と、佐藤さんはおっしゃいます。

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別れ際、「次はまた1年後かな!」と、冗談まじりに挨拶を交わす二人の姿からは、
たとえ頻繁に会える距離にいなくとも、自分らしい農を志す仲間、という強いつながりが感じられました。

誇りを持ちながら、新しい土地で自らの農業を突き進む二人の清々しい姿に期待を抱きつつ、
このSHARE THE LOVE for JAPANの取り組みも、そんな志を持つ各地の農家の方々に寄り添っていきたいという想いを強くした1日となりました。

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その他の挑戦者

  • 今村直美・細渕有里
  • 大野收一郎
  • 佐藤友明
  • 千葉治
  • 宮﨑康介

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