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2015.10.24

長野発、食と農で育む人のつながり

9月下旬、挑戦者の宮崎さんが仲間と開催したイベント
『農の寺子屋特別セミナー「土着菌と土」』に編集部スタッフも参加させて頂きました。

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参加者総勢37名で、大盛況となった今回のイベント。詳しい様子は 宮崎さんのブログ をご覧頂くとして…、
今回は宮崎さんもメンバーの一員であり、イベントを主催された「NAGANO 食と農の会」の活動と、この会が育む農を中心に広がるコミュニティについて、ご紹介したいと思います。

「野菜で変わる生きる形」をテーマに、2013年3月発足された「NAGANO 食と農の会」。
始まりは、地元で長年農と食に向き合って来た3人の方々の呼びかけでした。

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お1人目は、会の代表を務める「ふるば村自然農園」の渡辺啓道さん(上写真左)。
元々野菜の宅配会社に勤務し生産者まわりをされていましたが、
名古屋から長野へ移住し、有機無農薬で自らも農業を始めた農への熱意を持った方です。

2人目は、今回のイベントで講師役を務めた、 「まごころ・ふれあい農園」
の久保田清隆さん(上写真右)。
「長野県の北信地方で一番有名な有機農家」と紹介されるほど、一目を置かれる存在です。

そして3人目は、地元信州の地で創業100年の歴史を持つ野菜の卸
「カネマツ倶楽部」 の3代目代表の、小山郁代さん(下写真右から2番目)。

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3人のお子さん達も、郁代さんの生産者さんを大切に思う気持ちを共にし、
情熱と使命感を持って家業を受け継いでいます。

そんな3名の発起人を中心とする「NAGANO 農と食の会」は、
生産者だけでなく、流通、料理人、地域おこしや環境保全のNPO団体、教育関係、消費者など、
実に多様なメンバーが集まっています。
「農と食に関心があれば、どなたでも参加はウェルカムですよ」と答える宮崎さんの言葉通り、
ジャンルを問わない人の輪が、この会の特色であり強みです。

現在は30名ほどメンバーがいて、毎月の定例会では、この地域で農と食をテーマとして何が出来るか、白熱する議論が交わされています。

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こうした活動から生まれたのが、長野市の「上高田保育園」の給食の取組み。
「給食を、地元産かつ有機無農薬の野菜100%で作りたい」という園長先生の呼びかけに
共感したメンバーが、子どもたちの食を自分達の力で支えるべく、
新たな流通システムを作っていく挑戦です。
今では農と食の会の有機・無農薬野菜を中心に、保育園の給食が作られているそうです。

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(保育園の夏祭りでは、野菜の販売や、園児や親御さんとお話をするイベントも行っています)

今回参加させて頂いた「農の寺子屋」も、「NAGANO農と食の会」の活動の柱となる、「農業技術の向上や、未来の農家を育成・支援する取組み」の一つです。
世代、バックグラウンド、農業経験も異なる参加者の方々からは、
「こんなにも様々な方が、同じ意識をもって集まっていることに驚いた。」
「食や農に関心がある消費者の方がいると思うと、農業を志す身としては心強い。」
「来春就農予定だが、今からワクワクと楽しみになった。」
という感想が多く、次回の開催も待ち望まれるイベントとなりました

こちらは、イベント当日に振舞われた、旬の野菜をふんだんに使った「カネマツ倶楽部」の小山さんお手製のお弁当。野菜と生産者さんの紹介を聞きつつ、ひとつひとつの料理をじっくり噛みしめる、贅沢なひとときでした。

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「地元の農と食を軸とし、それぞれが自身のフィールドで力を活かし、実現にうつしていけるようなネットワークと連携をつくる。そうして地域でつながる「信頼」を育み、今後農や食の分野で生計を立てられるような仕事を生みだしていきたい。」代表の渡辺さんの言葉には、このコミュニティの目指す今後の大きな展望が感じられました。

今回ご紹介した「NAGANO農と食の会」の活動のように、
「食を見直したい、もっと農業を大切にしていきたい」という強い想いを持つ人たちが核となり、若手もベテランも分け隔てなく周囲の人たちを巻き込んで語らう場をつくっていけば、各地域でこのような個々の立場を超えた有機的なつながりが生まれていくのかもしれません。
今回、この会の活動の一端に触れたことで、地域での農を中心としたコミュニティづくりの可能性を感じることができました。

その他の挑戦者

  • 今村直美・細渕有里
  • 大野收一郎
  • 佐藤友明
  • 千葉治
  • 宮﨑康介

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