2015.09.11
農家の食卓から
段々と日が落ちる早さを感じ、雲の様子や畑に飛び交うトンボの姿から
秋の気配が感じられるようになりました。
先月8月9日(日)には、「SHARE THE LOVE for JAPAN」のイベントを開催し、
多くのお客様にお越し頂くことが出来ました。挑戦者の皆さんは、
猛暑の中汗だくになりながらも、青山ファーマーズマーケットで
自慢の夏野菜の販売をしてくれました。
お客様の中には、トラックストアに並んだ色とりどりの野菜を眺め、
「いいわねぇ、農家さんのうちは毎日がごちそうね!」とつぶやいた方もいました。
そこで今回は、日々畑の恵みを味わう農家さんの食卓の風景をご紹介します。
神奈川県足柄上郡の「足柄みなもと農園」の佐藤宏子さんに日々の食事をお伺いしてみると…
まずは、畑で採れた夏野菜たっぷりのパスタ。
ご自身の畑で獲れた、太く肉厚でみずみずしさが特徴の「須藤キュウリ」を使って、
知り合いのシェフ直伝の絶品キュウリのヨーグルトサラダなど。
もともと手作りすることが好きだったとおっしゃる宏子さんですが、
農家になってから、食を通じたつながりも増え、果樹園の方や、猟師さん、料理家の方など、
みなもと農園のお野菜を提供したり、お互いにアイディアを出し合ったり、
レシピを教えあったりと日々の楽しみも増えたと言います。
ジャムも、柚子や桑の実で手作りします。自家製のパンと一緒に梅ジャムを。
たくさん採れたトマトでソースを、白菜でキムチ、自家栽培のコンニャク芋でコンニャク作り、
お茶の葉を採るところから紅茶作りに挑戦したり…
これまで宏子さんが挑戦した自家製品は数え切れないほどです。
知り合いの農家さんから分けていただいた、無農薬の二ノ宮大豆でお味噌作りも。
生産の現場に近いからこそ、自らの手で作るからこそ、安心で新鮮なものを味わえる。
そして家族や仲間と作ることで、その過程も味わい楽しむことが出来る。
農業を営む方々の家庭には、都会ではなかなか味わうことが難しくなってしまったような、
身体が喜び、心が充実する食の豊かさが身近にあるようです。
このような暮らしや、農に興味がある方は「畑に来るのが一番!」と、宏子さんはおっしゃいます。
生産者との交流の場に参加し、気軽なお話や交流が出来る関係になる、
畑に出向いて土に触れる機会をつくる、小さな規模からでも野菜作りを始めてみる…。
「ぜひ、身近なところから挑戦してみてください」とアドバイス頂きました。
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そして、もうお一方。青山ファーマーズマーケットでも異彩を放ち、
近隣のインド料理店のシェフもいち早く飛びついた、 千葉さんのヘビ瓜 。
1mくらいあるような細長い瓜は何しろ珍しいですから、「どうやって食べるの?」という
お客様のために、千葉さん特製のヘビ瓜カレーのレシピも一緒にご案内。
編集部スタッフも早速頂いてみました。
皮をむくと、こんなにもあざやかな翡翠色。想像していた以上に、果肉は薄く柔らかでした。
皮をむいたら半分に縦割りして中綿を取り除き、カットしてカレーに入れます。
スパイスとココナッツミルクを使ったカレーに入れてみると、
ヘビ瓜にカレーがじんわりとよく染みて、ナスとも冬瓜とも全く違うなめらかな食感、
とても美味しく頂きました。千葉さんのヘビ瓜を使っている、
南インド料理店「ケララバワン」の サッシーさん が仰っていた
「これでないと、本場・南インドの味が出せない」という言葉に納得でした。
野菜を知り尽くした農家さんだからこそ知っている食材の活かし方や、
こだわりの食材に触れられることは、何よりの贅沢と感じられます。
農家の皆さんが伝えてくれるのは、畑の作物や農業の素晴らしさはもちろん、
そこから生まれる日々の豊かさ、楽しさなのかもしれません。