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2015.06.30

農繁期でも発信すること

雨が少ない5月を乗り越えて、各地で梅雨入りの時期。
気温も上がり、畑作業をしていると、
じっとりとした湿気が身体をまとう季節となりました。

種播き、植付け、田植え、成長の勢いを増す草の手入れ、収穫、出荷など作業も増え、
一年の中でも農繁期と呼ばれるこの時期ですが、
イベントへの出店や、田植え体験、栽培体験プログラムなどを実施し、
忙しい日々の中でも”自身の農”について発信を行っていた挑戦者の方々。
そんな皆さんの、今月の様子をお伝えします。

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(↑細渕さん、イベントでの様子)

今村さん・細渕さんは、今月は毎週末、
地元・千葉の我孫子市や柏市でイベント に参加。
「遠い存在の農家さん」ではなく、「作り手と食べ手はパートナー」をモットーに、
野菜の生育を伝えたり、逆にお客さんからおいしい料理方法を教えてもらったり、
冗談を言い合ったりするような会話の中から、
お客さん、近隣の農家さん、レストランなど、
それぞれが手をつなぐように輪を作るコミュニティーを大事に育んでいます。

奈良の大野さんは、 田植え体験イベント を終えた後も、田んぼの水や雑草の管理と
休みのない日々の中で、今年初挑戦の 野菜作りにも奮闘中 です。
元々田んぼだった土地を畑に利用するためには、水はけをよくする事がとても重要。
この時期、雨が続いて畑に水がたまってしまうと作物も育ちません。田んぼの管理と、
排水のための畑の溝掘りなど、大野さんにとっての正念場はまだまだ続きます。

埼玉の畑への引っ越しを終えた千葉さんは、
収穫量アップのために、 ヘビ瓜の種子の発芽実験 に挑戦。
天候に左右される農業では予測のつかない事も多発します。
自然任せにするのではなく、日々の努力や工夫なくしては思うような収穫は望めません。
新たな畑での挑戦という困難な状況下でも、千葉さんは一歩先を見つめながら、
「目の前の作物に対して何ができるか」、落ち着いた様子で向き合っています。

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(↑宮崎さん、銀座のマルシェ出店の様子)

「朝5時から畑にいますよ」と話す長野の宮﨑さんは、日々多くの作業に奮闘しつつ、
都内のマルシェの出店 にも初挑戦。
「農作業に終わりはない」との言葉通り、
「美味しい野菜を届けるために出来る限りの事をする、やるしかない。」と、
自らを奮い立たせるような前向きな姿勢で、農繁期でも新たな挑戦を続けています。


神奈川の佐藤さんは、「畑作業をしていると、つい時間が過ぎるのを忘れてしまう。」
と、いつもの笑顔で話します。こだわりの種から育ち始めた作物の状態を観察し、
野菜自身の育つ力を引き出すよう、最小限の手をかけていきます。
種を自家採種する事を目的として行っている、 栽培体験プログラム では、
そんな佐藤さんの「わくわくの価値観」の伝播が始まっていました。

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(↑佐藤さん、種を育むプログラムでの様子)

「もっと美味しい、安心な食べ物を多くの人に届けたい。喜んでもらいたい。」
「自ら作る事の楽しさ、生産者の尊さを広めていきたい。」
活動を通して発信されたそれぞれの想いは、農業に挑戦する原動力であると共に、
まわりに伝わっていく事で、農業を続けていく、より大きな力となっていきます。
「生産者を支えるのは、まわりの消費者に他ならない」
今月の皆さんの取り組みは、そんな事を再認識するきっかけとなりました。

さて、7月は、丹精込めて育ててきた作物が、ますます収穫本番の時期を迎えます。
それと同時に、いよいよ夏も本番。
暑さは人間にとっても脅威となり、野菜にとっても、干ばつの夏となるのか、
日照不足となるのか、出荷を大きく左右する天候が気にかかります。
そんな厳しさを増す自然の影響とどう上手く付き合っていくのか、
来月は、挑戦者の皆さんの「自然との対峙」をテーマにお伝えしていきます。

その他の挑戦者

  • 今村直美・細渕有里
  • 大野收一郎
  • 佐藤友明
  • 千葉治
  • 宮﨑康介

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