2023.04.14
協生農法はじめます
はじめまして。山形県鶴岡市で就農する「Kuchiru made mederu」の佐藤千穂です。
私の生まれ育った庄内地方は、日本海に面し、出羽三山などの山々に囲まれ、海の幸、山の幸に恵まれた豊かな土地です。
実家はお米農家で、庭には色々な植物がありました。ちいさい頃は母が田んぼから帰って来るのを待つ間、庭にあるお花を摘んで飾ったり、さくらんぼやグミ、野イチゴを摘んで食べたり、自然や植物にたくさん触れ合う機会に恵まれました。そんな環境で育ったせいか、植物を色々な方法で楽しむ花屋に憧れを持ち、東京の花屋で働きはじめました。
花屋として経験を積むなかで、楚々とした花に惹かれていきました。もちろん生産者さんが手塩にかけて作られたお花も素敵なのですが、散歩してる時に道端に生えている、野の花の素朴さに何とも言えない魅力を感じるようになりました。
そのような野の花を摘んできて、ちょっと花器に活けてみると、これがまた素敵なんですよね。生活の中にあると、なんだか心が”ぽっ”とあたたかくなるような。そんな野の花たちと、自分で育てた花や樹、ハーブ、スパイスを組み合わせて、花束やリースを作れたら、こんなにしあわせな事はないなと、ぼんやり考えるようになりました。
そうしているうちに、地元・庄内の農家に嫁ぐことになりました。夫はお米や大豆を生産する傍ら、自然栽培(協生農法)に興味があり、勉強していました。協生農法は、不耕起・無施肥・無農薬を基本として、150種類以上の花木や果樹、野菜、花、ハーブ、スパイス等、様々な植物を一つの圃場の中で密植して育て、圃場の多様性を高めて物質を循環させていく農法です。こんなにもたくさんの植物が一緒に混在する庭のような圃場を想像すると心が躍りました。そして、この農法は環境への負荷も少なく、農家の負担も慣行農法に比べて小さいため、とてもサスティナブルな農法です。
この農法ならずっとぼんやり考えていた、私の夢を実現できると感じ、この春、新しく圃場を造成して、協生農法をはじめます。この圃場名を「Kuchiru made mederu」と名付け、ここを起点として花の魅力と、協生農法で作った安心なハーブ、スパイス、野菜を通して、みなさんと繋がっていけたらと思います。農園名にした「Kuchiru made mederu」には、たくさんの思いを込めました。その話はまたの機会に。
Kuchiru made mederu(朽ちるまで愛でる) 佐藤 千穂
Instagram @kuchiru_made_mederu
Facebook @Kuchiru made mederu
佐藤千穂(さとうちほ)
lKuchiru made mederu
山形県 鶴岡市
1982年山形県生まれ。庭に育つ植物と触れ合う幼少期を過ごし、生花店で働きはじめる。楚々とした野花の持つ素朴な美しさに心惹かれ、2023年3月「Kuchiru made mederu(朽ちるまで愛でる) 」を開業。不耕起・無施肥・無農薬を基本に、150種類以上の花木・果樹、野菜・花・ハーブ・スパイスなど様々な植物を一つの圃場の中で密植して育て、圃場の多様性を高めて循環させていく「協生農法」に挑戦する。
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