2018.12.07
師匠 一穂さん
11月26日は、昨年亡くなられた私の農業の師匠、山下一穂さんの命日でした。
亡くなられてから、以前に比べて自分の中でさらに大きな存在になっている気がします。
正直、一穂さんが塾長を務めていた「有機のがっこう土佐自然塾」での研修時代、
私はあまり一穂さんとは話せませんでした。
ニコニコしながらも、鋭い洞察力、感性と言いますか、
物事を見抜く力をその強い眼差しに常に感じていたので、
面と向かうと緊張してしまってうまく話が出来ず、
臆せず話が出来る他の研修生を羨ましく感じていました。
一穂さんとの一番の思い出は、就農の候補地の圃場環境の相談をしたところ、
「よし、じゃあ見に行ってみるか」と多忙な中、1日時間を割いていただいて、
往復6時間の圃場見学に同行いただいたことです。
車中、一穂さんの大好きなビートルズをエンドレスで流しながら、
大して会話は盛り上げることが出来ませんでしたが、
圃場見学では太鼓判を押していただきました。
「ここで野菜を上手く作れなかったら、作る人間が悪い」と言われた圃場で、
現在私は就農しています。
研修終了後2年経過後、一穂さんから、
2016年度のSHARE THE LOVE for JAPAN(以下STL)挑戦者の
エントリーのお誘いをいただいた時は、
まだまだ農家としての自分に自信がなかった時期だったので、
少し認めてもらえた気がして、本当に嬉しかったですね。
その時はご縁がなかったのですが、
昨年の一穂さんの告別式の際にSTLのスタッフの方々とお会いしたことで、
2018年度STL挑戦者に再度エントリーさせていただけることになり、
今こうしてブログを書いています。
本当に最後に一穂さんが引き合わせてくれたとしか思えないです。
このブログを書くようになり、自分の思いなどを綴れば綴るほど、
出てくる言葉は、あの研修時代に、
一穂さんがミーティングで何度も話していたことなんです。
「まだまだ自分の言葉で農業を語れるほど一人前にはなれていないなあ」
と痛感です。
でも、そんな私のブログや日々の活動で、
有機農業に興味を持ってもらえる方もいるようなので、
これからも、一穂さんの思いを少しでも繋いでいけるよう、
発信し続けていきますので、よろしくお願いします!
(2013年度「有機のがっこう土佐自然塾」8期生卒塾式集合写真)
大島雄(おおしまゆう)
愛媛県 宇和島市
1981年東京都生まれ。大学卒業後、住宅設備メーカーに就職。松山に配属され9年間営業職として働く。その間に愛媛育ちの千春さんと結婚。退職後、故山下一穂さんが主宰する土佐自然塾で学んだ後、2014年、千春さんの故郷近くの宇和島市で「オオシマ農園」を開く。