2018.09.01
「アブラムシ食べる食べる詐欺」
世間はお盆休みに入りましたが、いやー、雨が降りません!
7月のあの豪雨(第7回ブログ参照)のあと、まともに雨が降っていません。毎日のように雨雲接近情報が入ってくるのですが、まともに雨雲が来てくれた試しがないです!「雨降る降る詐欺」です!水の取りにくい畑が多いため、毎年夏の雨不足は苦労する問題です。来年は潅水チューブでの潅水を導入しようかと考えています。
さて、時期としては秋作の準備も進めつつというところですが、夏作も、特にナス科の野菜はSHARE THE LOVE for JAPANで参加する9月のイベント(オーガニックライフスタイルEXPO)に向けてもまだまだ収穫を引っ張りたいところです。その中で、ナスは盆時期になり朝晩が涼しくなってきて収量も少し上がってきたのですが、悩ましいのは、今年のナスは、虫害がひどいという事です。
(ニジュウヤホシテントウ。食欲が旺盛で、一気に葉が穴だらけになります)
最初はテントウムシかと思ってアブラムシをどんどん捕食してくれると思っていましたが、よく見ると「テントウムシ」ではなく、「テントウムシダマシ」でした。正確には「ニジュウヤホシテントウ」と言い、その名の通り背中に28の黒い紋があります。アブラムシではなく、葉や実を食べます。「アブラムシ食べる食べる詐欺」でした。葉はレース状になり枯れていくわ、実は肌がいびつになってしまってB品になってしまうものもあるわ、ショックが大きいです。
(食害された株。無残な姿です…)
今までではなかった被害で、知り合いの有機農家さんのところでも同様の被害が発生しているとのことで、今年はこの地域では多いのかもしれません。7月の大雨でのダメージ、その後の晴天続き、水不足で、ナスの株にストレスがかかってしまったことが原因かと思います。
一般的な「テントウムシ」、肉食の「ナナホシテントウ」などは体内にアルカロイド系の毒成分を蓄積して捕食者から逃れるのですが、「ニジュウヤホシテントウ」は「ナナホシテントウ」に擬態することで、捕食者から逃れているのです。なので天敵もいません。
農薬を使わずに直接的な対策はないので、とりあえず見つけたら指でプチっとしていますが、これから雨が降って水不足が解消されれば、虫害も沈静化するだろうかと、様子を見ています。
盆の墓参りに無駄な殺生はするなと言われますが、畑では日々虫との戦いが繰り広げられているのでした。
大島雄(おおしまゆう)
愛媛県 宇和島市
1981年東京都生まれ。大学卒業後、住宅設備メーカーに就職。松山に配属され9年間営業職として働く。その間に愛媛育ちの千春さんと結婚。退職後、故山下一穂さんが主宰する土佐自然塾で学んだ後、2014年、千春さんの故郷近くの宇和島市で「オオシマ農園」を開く。