2018.06.04
水稲の育苗法
去年、自家採種した種籾を丁寧に風選(風で軽い種籾を取り除く選別方法)、塩水選(塩水に入れて中身の詰まった良い種籾を選別する方法)をし、お湯の力で病気の原因となるカビや細菌を消毒する温湯浸法(おんとうしんぽう)で殺菌して、4月に種を蒔きました。
私の圃場は、冬も水路の水がなくならないほど1年中豊富な水が流れていることから、比較的早く育苗の準備をすることができます。
育苗方法は、ポット型育苗箱を使い、水苗代と畑苗代の良いところを取り入れた、折衷苗代(せっちゅうなわしろ;水田で水の量を調整して育苗する方法)で、成苗(大きい苗)を育苗しています。成苗にすることで、田植え後に通常より深く水を張る深水管理ができ、雑草防除ができるのです。
(育苗中の様子)
水田で使用する水路の水は、山から流れてくるため、水温はとても冷たくなっています。去年はそのまま流していたところ、苗の成長に少し影響があったため、今年は、写真の奥のスペースに昼間のうちに水を溜めて、夜に苗の所に流し込むことにしました。
現時点では、去年より苗の成長が順調そうです。この土地に合ったやり方、栽培方法を日々模索しながら、考え実践していますが、これが一番大事な事で、難しい事です。でも、私にとっては一番おもしろく楽しい事でもあります。
いつもワクワクしながら考えていますが、実践となるとまだまだドキドキとハラハラの連続です。
大島和行(おおしまかずゆき)
栃木県 塩谷町
1981年栃木県生まれ。文化服装学院卒業後、花の生産農家、ディズニーランドの造園などの仕事につく。インド旅行ではマザーテレサの施設でボランティアも経験。有機農家での1年の研修を経て、2017年、故郷の栃木県塩谷町で「大島農園」を開く。約50品目の野菜と米を作る。