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2018.05.19

畔塗り

田んぼの水漏れを防ぐ為、畔を泥で塗っていく作業、畔塗り。
この作業には専用の機械があり、ほとんどの稲作農家は機械を使って塗っていきます。でも、私は鍬を使って手で塗ります。昔の人は手で塗っていたし、今の私の作付けの規模(50a)なら機械が無くても手で十分だからです。

しかし、十分と言っても結構な重労働です。そんな大変な作業ですが、野菜宅配で大島農園の農産物をご利用頂いている消費者の方が、お手伝いに来てくれました。
いつも私と一緒に仕事をしている妻が、現在農作業はできないことを知って、東京から手伝いに駆けつけてきてくれたのです。独りで作業をしているという私の状況を心配してくれた気持ちが本当にありがたいですし、涙が出ちゃうほど嬉しかったです。

こんな風に、生産者と消費者が信頼関係を持ってお互いに支え合う。本当に良い関係だと思います。農業を始めて良かったと思う瞬間です。
消費者にとっても、作物がどのようにできるのかを農作業を通して体験する事で、自分が食べる作物の生産状況について理解し、把握する事ができます。何でも簡単に物が買える今の時代に、このような援農は素晴らしい事だと思います。

私は生産者として、安心安全なものをこれからも提供し続け、消費者の食を支えていきたいです。また訪れる人の心もほっと安心できるような、田舎の親戚みたいな農園にしていきたいです。

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(援農に来てくれた方と皆で畔塗り作業)

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大島和行

大島和行(おおしまかずゆき)
栃木県 塩谷町

1981年栃木県生まれ。文化服装学院卒業後、花の生産農家、ディズニーランドの造園などの仕事につく。インド旅行ではマザーテレサの施設でボランティアも経験。有機農家での1年の研修を経て、2017年、故郷の栃木県塩谷町で「大島農園」を開く。約50品目の野菜と米を作る。

写真家の眼 大島 和行

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