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2019.07.11

「ヒトゴトではなくジブンゴト」人が求める野菜の裏側はどうなっているのでしょうか

前回のブログに引き続き、有機農業について私の考えを書いていきたいと思います。

「有機農業をめぐる事情」(平成31年3月 農林水産省 生産局農業環境対策課)
によると、国内の平成29年度の有機農業の取り組み面積は、23,000haで総耕地面積の0.5%。

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(国内の有機農業の取組面積 出典:農林水産省「有機農業をめぐる事情」)

また、平成22年度の有機農業に取り組んでいる農家戸数は12,000戸で総農家数の0.5%。

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(有機農業に取り組んでいる農家数 出典:農林水産省「有機農業をめぐる事情」)

上記のデータより、国内では有機農業以外(慣行栽培や特別栽培など)が99%のシェアを占めていることが分かりますが、私たち消費者の希望を受けてこの比率になっていると私は捉えています(良い悪いという意見ではありません)。

一年中、スーパーには様々な野菜が並び、飲食店には定番のメニューがあり、ネットショップでは生鮮食品も工業製品と同じようにスクロールして選べる時代になりました。
便利で安くてキレイな食材がずっと手に入れば嬉しいですよね。

しかし、その農産物の確保には、市場や農協による鮮度重視の物流網、生産者による産地リレーの協力が欠かせません。さらには価格競争や一定品質、安定供給など高い消費者ニーズに対応しなければならない現実があります。自然相手の一次産業において、そのハードルは非常に高いものになります。

その消費者ニーズを満たすためにも化学肥料や農薬などは必要であり、仮に現状を変える必要があるならば、代替案を出してポジティブな流れをみんなで作っていくことが大切だと私は考えています。

生産者は食に関心を持っていただくための発信を続け、それを消費者の方が受け取り、お互いに“ジブンゴト”として農業の現場を一緒に見つめていけたらいいなぁと思っています。

生産者や消費者の“権利”を超えた“思いやり”が、一次産業のバランスを保ち、延いては大地を守ることにつながると信じています。

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(皆さんも一緒に考えてみませんか(^^))

大平節を最後までお読みいただきありがとうございました!
次回は7月下旬公開予定です!

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大平成晴

大平成晴(おおひらまさはる)
大平農園 / おーべーファーム
神奈川県 鎌倉市

1992年神奈川県生まれ。約40年前、消費者の要望を受けた祖父母が有機農業を開始し、CSAの先駆けとなった。以後、会員制の野菜販売を継続している。生産側・消費側 双方の高齢化により「世代交代」も課題に。「町の中の畑」が地域の財産となるような都市農業の可能性を追求し、存在意義を示したいと意気込む。

写真家の眼 大平 成晴

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